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北野唯我氏が語る「天才に叶わない秀才と凡人の生存戦略」

経営思想家が目標という北野氏。ベンチマークは村上龍さんと大前研一さん

経営思想家が目標という北野氏。ベンチマークは村上龍さんと大前研一さん

◆SNSで「共感性」が台頭、「秀才」はアマゾンに負けていく時代

──「天才=創造性」「秀才=再現性」「凡人=共感性」の3要素は、時代によっても、際立つものが変わってくるんですね。現代は「共感性」が力を増しています。

北野:インフルエンサーは「共感」世界で戦っている人たちです。今までメディアをコントロールしていたのは主に「秀才」型でしたが、SNSによって、「共感性の高い人」の活躍の場が拡大し、経済を動かす力を持つようになったことは良いことだと思っています。一方で、秀才型のフィールドは狭まっていますね。秀才型の最強企業がアマゾンで、秀才型だけで勝負している企業はアマゾンに負けていく時代です。「効率性」ではアマゾンに勝てませんから。

──良い面だけでなく、「共感」の恐ろしさ、危うさを指摘されてもいます。

北野:共感は大事なのですが、共感は、物語のどこを切り取るかで決まりやすい。本には『アラジン』の例を出しましたが、最近は、ある「ひと言」だけを切り取った報道の是非が問われることが増えています。僕の考えでは、人が本質的に優しくなれるのは、共感ではなく「理解」です。共感は基本的に、自分が身近に感じるものに対して抱く傾向のある感情なんですね。対して、「理解」は違う。たとえば犬を食べる人たちについて、共感はできないかもしれないけれど、なぜ彼らが犬を食べるのか、その背景や構造は理解できるはずなんです。そうした理解こそが、優しさにつながると思っています。

 また、仕事においては、それぞれの才能が役立つフェーズが違います。

──「共感性」が役立つフェーズとは何でしょうか?

北野:<原液は一人で作り、カクテルはみんなで作る>とよく言っています。つまり、新しいものを作るとき、アイディアは少人数で生み、それを広げるフェーズは多くの人と共有していくべき。共感で意思決定すると面白いイノベーションは生まれません。共感は、広げる際にパワーを発揮する能力です。

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