◆生放送直前まで続いた猛稽古
公開生放送という特殊な環境だったこともあって、稽古は直前まで行なわれた。台本も直せるところは本番直前まで手が入れられたという。時には客の入った後も緞帳の裏で稽古を続けることもあった。舞台が倒れたり、たらいが頭上に落ちてきたりと体を張るギャグも少なくなかったが、16年間で大怪我をしたメンバーが一人もいなかったのは入念な稽古の賜物だった。
オープニングでいかりやの発する「8時だョ!」の掛け声に子供たちが熱狂するのとは裏腹に、1978年には日本PTA全国協議会が「テレビワースト1」に選出した。
「大人の世界で、子供も理解できるものを表現してきました。それが良識ある大人から反発された原因でしょうね」(副島氏)
ドリフへのリスペクトを公言する芸人は後を絶たない。いかりやの体現したお笑いの精神は、今も受け継がれている。
●取材・文/戸田梨恵、小野雅彦
※週刊ポスト2019年8月16・23日号