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W杯大一番に臨むオールブラックスへの愛 NZ出身美女が語る

ラグビー愛を語るナターシャさん(筆者撮影)

 NZにおいてラグビーは単なるスポーツではなく、「地域の人と人をつなぐツール」としても機能しているという。

「NZではほとんどの人がラグビーと何らかのかかわりを持ちます。いま日本の若い人は“出会いの場がないから結婚できない”というけど、NZではカンタン(笑)。週末のラグビーの試合に地域のみんなが集まるから、そこで男女が出会って、その後バーに飲みに行ったりする。多くの日本人は人との交流の場がカイシャだけだけど、NZ人はラグビーを通じて『ソーシャルライフ(社会生活)』を送るんです。もちろん、ラグビーの上手な男の子は女の子からモテる(笑)」

 そう語るナターシャさんも、ラグビーをしていた父の影響で5才からラグビーを始めた。

「当時は“レディスはラグビーしないほうがいい”とも言われたけど、男の子に混じってボールを追いかけました。NZの男の子はほとんどラグビーをやります。11才の時に引っ越したオタゴの中心都市・ダニーデンでは“アンダー6(歳)”、“アンダー7(歳)”、“アンダー8(歳)”と1歳ごとにチームがありました。NZではできる、できないは別にして小さな子供もオールブラックスのやり方で練習します。どんなレベルの子供にもオールブラックスと同じ練習を取り入れるから、18歳で代表に選ばれるとすぐに活躍できるんです。

 私はハイスクールでもプレイしたけど、その時のクラブは現日本代表監督のジェイミー・ジョセフと同じチームで、隣の高校には現日本代表コーチのトニー・ブラウンがいました」(ナターシャさん)

“グラスルーツ(草の根)”でつながるラグビー界の頂点に立つのがオールブラックスだ。

「オールブラックスは強くてカッコよくてみんなの憧れです。日本でいうアイドル歌手くらい人気がある。NZでは5歳の子供が『将来はオールブラックスになりたい』と言います。オールブラックスの試合がある日は地域や学校のラグビークラブはすべてお休みで、みんな試合を見ます。勝てばニコニコだけど、もし負けることがあったら、『あのコーチが悪い』『あのプレイがよくなかった』ってみんなで言い合ってもう大変です。

 しかも選手は、ほかの世界のプロスポーツみたいに遠い存在ではありません。NZは小さい国だから、オールブラックスの選手が普通に近所のスーパーマーケットで買い物をしているし、みんな優しくフレンドリーで気軽に写真を撮ってくれます。決してロングノーズ(天狗)な人たちではありません」(ナターシャさん)

 ナターシャさんはオタゴ大学を卒業後、のちに夫となるアファ・ハニパリさんとともに知人の紹介で2002年に来日し、花園ラグビー場のある東大阪市の中学校で英語教師のアシスタントを始めた。そこで初めて触れた日本のラグビーには驚かされることが多かった。

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