加齢とともに増える目の疾患で代表的なのは、徐々に視野が欠けていき最悪の場合失明に至る「緑内障」や、水晶体(レンズ)が白く濁ることで視力が低下してしまう「白内障」などだろう。
「健康診断で行なう視力検査は目の異常を早期に発見するうえで必要なものですが、特に緑内障の検出には不十分。視力が落ちたときにはすでに末期まで進行してしまっているケースがほとんどです」──そう話すのは二本松眼科病院の平松類医師だ。
では、必要な検査は何なのか。
「眼底カメラ検査ですね。機械に額と顎をくっつけて写真を撮るだけの検査です。眼圧測定のように、眼球に風をあてることもありません。この検査では緑内障だけでなく、暗いところで見えにくくなったり視野が狭くなったりする『網膜色素変性症』や、視界が歪んでみえる『黄斑変性症』などを、かなり初期の状態でも見つけ出すことができます」(同前)
ただし、目の病気は初期の場合に自覚症状が出るケースが少ないために、違和感を覚えてから医療機関を受診してみると、既に手遅れの場合が多いと平松医師は嘆く。