黒川氏によれば、そもそも娘の結婚に父親が口を出すことはできないと考えるべきだという。それには女性の本能的、生理的な特性も関係している。
「父親が娘の結婚に口を出す権利は“動物学上”ないんです(笑い)。よく聞く話だと思いますが、思春期の娘は父親のことがすごく気持ち悪く感じるようになります。大脳の思考の領域では父を尊敬しているし、好きだと思っていても、本能的、生理的な領域で父親を臭い、汚いと感じる時期がやってくるんです。これは父親の責任ではなくて、女性は思春期になると、自分と違う免疫型の遺伝子を持つ男性を本能的に探すからです。免疫を司るHLA遺伝子の型と、体臭に関わるフェロモンには相関があって、自分と同じ型の遺伝子を持つ父親に対して『臭い』と感じてしまうのです。
ちなみに、母親はその『臭い父』を結婚相手に選んだ人なので、父親も母親も自分の恋愛については意見が合わない、自分の結婚相手を判定するのに、最もふさわしくない人たちだと感じてしまう可能性があります」
秋篠宮家の現状を連想させる話だが、黒川氏は「皇族の家庭がどういうものかわかりませんが」と前置きして、こう語る。
「一般的に、関係が膠着してしまった場合、父と娘が意思の疎通を取り戻すためには、世間や立場をいったん忘れて、父=『娘を守る家族の長』であるということに立ち戻らないと難しいように感じます。世間よりも娘、という姿勢を示さなければ心は開かれないはずです。皇室というお立場上、難しいとは思いますが、この事態を何とかするには、まずは、心の対話の開通を優先すべきなのではないでしょうか」
天皇は「日本国民統合の象徴」であると憲法に規定されている。その立場をいずれ引き継ぐ秋篠宮家には、平穏で健やかな日々こそふさわしい。