「とにかく光っていました。そりゃあ、光ってた光ってた」
西垣氏は、当時の三浦さんの印象をそう語る。
「素直な演技をしていたんです。斜めからものを見ることなく、こう見せようということもなくて、思ったままに演技をしていた。木登りしているシーンでもいい表情をしていました。ガキ大将役だったけど、けんかのシーンもできていましたよ。子供の日常生活の中にあることを素直に演じられていたんです」
そして、西垣氏はこう続ける。
「この映画はみんなの努力があったからできた。しかし、春馬がいたからこそ。春馬じゃなかったら、この映画は成功していなかったですね」
『森の学校』は公開後、モスクワ映画祭に招待されるほど高く評価された。しかし、18年前の作品ということもあってDVD化されておらず、インターネットの配信サービスにも未対応。ファンの間では“幻の映画”となっていた。「一度見てみたい」。その思いは三浦さんの死後、大きなうねりを作り、ついには関係者を動かした。
「リクエストの多い作品を映画館で上映する『ドリパス』というサービスがあるんですが、それで12月から全国で公開されることが決まりました。やっぱりスクリーンで見てほしいからうれしいですね」
と、西垣氏。まだ小学生だった頃の神童・三浦春馬が、大画面で躍動する。作品のリバイバル上映を、三浦さんも空の上で喜んでいるだろう。
※女性セブン2020年11月26日号