青木は、故・金田正一氏との対談(週刊ポスト2016年1月29日号)で、尾崎との関係についてこう語った。
「ジャンボが出てきてくれてよかったと思うのは、自分の長所も短所もわかったことかな。オレもジャンボのように飛ばしてみたが、フックボールで飛ばすだけでは勝てないことがわかった。ジャンボに勝つためにアプローチとパターを徹底的に磨いた。ライバル心むき出しなんてもんじゃなかったよね。時間を忘れるほど練習した。それによって世界でも戦えたわけで、ライバル出現はピンチであると同時に、自分を高める最大のチャンスであると思わなきゃ」
両雄並び立ったあの時代は、令和のヒーローとなった松山にも劣らぬ興奮があった。
※週刊ポスト2021年4月30日号