1960年代に一世を風靡したツイッギー。芸名の由来は、いまにも折れてしまいそうな、小枝(twiggy)のような体からだった(写真/GettyImages)

1960年代に一世を風靡したツイッギー。芸名の由来は、いまにも折れてしまいそうな、小枝(Twiggy)のような体からだった(写真/GettyImages)

 過食で増えた体重は2~3kgだったが、当時の佐々木さんにとっては、「10kg以上増えたような罪悪感と焦燥感があった」という。

「人からやせていると言われても、当時の私の目には、自分の体は太って見え、常に満ち足りていない気持ちがありました。友達と約束をしても、『こんな太った姿は誰にも見せられない』とドタキャンして、強烈な自己嫌悪に陥っていた。やせ願望にとらわれるあまり、強い自己否定感があったのです。

 そんな生活を30代後半まで繰り返して疲れ果て、やせようとすることをやめました。心と体を健康にしたくてトレーニングを始めて、カロリーを気にせず食事を摂るようにしたら、自己嫌悪に陥ることも減っていきました」

“やせ信仰”から脱し、心身とも健やかになった佐々木さんが心配するのは、日本特有の「幼少期からの刷り込み」だ。

「テレビでは細い女性がもてはやされ、太っている女性は笑いを取る役です。それを見て育ってきたから、太っている女性は美しくない、からかってもいい存在だと刷り込まれる。身長は生まれつきでも、体重は生活次第で変えられるから、太っている子に対し、“食べすぎている”“やせた方がいい”などと、その子のありのままを否定するような言葉をかけてしまう」

※女性セブン2021年6月3日号

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