本寿院でのリモート法要の様子。4K対応のカメラ機材を使用し、読経がよく聞こえるように住職はピンマイクを装着している

本寿院でのリモート法要の様子。4K対応のカメラ機材を使用し、読経がよく聞こえるように住職はピンマイクを装着している

 なお、利用料金としてのお布施3万5000円は通常の金額と変わらない。

 一方、リアルで行なわれる葬儀の場合は、オンラインで配信される動画を遠隔地にいる参列者がパソコンやスマホで視聴する。

 たとえば、リアルで行なわれている葬儀に遺族が参列し、その他の参列者が遠隔で配信された動画を見るケースは、3密対策で考案された手法のひとつ。葬儀の動画が流れる画面に向かって参列者が焼香し手を合わせる。遺族の参加する葬式に、別会場で他の参列者が参加する。リアルタイムで配信される葬儀の様子をどこからでも見られるほか、参列できなかった人も後日配信動画を視聴することが可能だ。

 リモート葬儀を実施している葬儀会社であれば、必要なアプリのダウンロードや設定を行なうほか、参列者への連絡も代行することが多い。オンラインの中継そのものは無料であることがほとんどだが、葬儀に専念したければ、サポートスタッフの派遣を希望することもできる。また、機材の貸し出しも実施しているが、別料金がかかることもあるので、事前に葬儀会社への確認が必要となる。

 オンラインで葬儀や法要を中継するというサービスは、コロナ前にも行なわれていた。海外在住など、すぐに駆けつけることができない遠方の参列者や、移動が制限されている高齢者向けだったが、コロナ禍で急速に需要が伸び、全国的に普及している。

 なかには中継だけでなく、LINEなどでの訃報通知や故人のメモリアルアルバムの閲覧など、さまざまなサービスが展開されている。

撮影/内海裕之 取材・文/小野雅彦 作図/タナカデザイン

※週刊ポスト2021年5月28日号

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