厚労省が発表した報告書の記載の一部

厚労省が発表した報告書の記載の一部

 世界ではワクチン接種人口が10億人を超えたが、精神障害の報告例はほとんどない。

 世界の論文を調べた医療経済ジャーナリストの室井一辰氏によると、今年4月、ファイザー製ワクチンで89歳の男性が「せん妄」の精神障害を起こした初めての症例を、メキシコの医療チームが医学誌『ジェリアトリクス&ジェロントロジー・インターナショナル』に発表した。

「メキシコの男性には、気が動転するような症状が現われました。2型糖尿病や高血圧で、腎臓が悪いなどの既往歴はあったが、介護なしで自立して生活していた。

 入院して回復しましたが、認知症があったわけではなく、ワクチン接種の影響のようだと研究グループは推定し、『医師はこうした事態が起こり得ることを認識し、患者を注意深く観察し、リスクの高い患者とその家族に警告することが重要だ』と注意喚起しています」(室井氏)

 ただし、医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏は「副反応を必要以上に恐れることはない」と指摘する。

「感染するリスクを考えると、ワクチン接種は必要不可欠です。大切なのは情報公開。新しいワクチンだから、因果関係がわからないケースも含めて副反応の疑い症例を公表し、どういう症例があるかをあらかじめ踏まえていれば、医療機関も冷静に対処できるからです」

 悲劇を繰り返さないため、副反応を正しく知り、備えることが必要だ。

※週刊ポスト2021年6月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン