社長期間わずか2年の「ローソン時代」

 その後、玉塚氏は澤田氏と共同でリヴァンプを設立し、前述したように再生案件であるファストフードチェーンのロッテリアCEOに就いた経緯もあるので、今回のロッテHDへの移籍自体はそれほど驚きのあるものではなかった。

ファミリーマートの副会長、澤田貴司氏(時事通信フォト)

ファミリーマートの副会長、澤田貴司氏(時事通信フォト)

 また、澤田氏も2016年の春先までロッテ免税店ジャパンの社長をしていたことがある。今年3月、澤田氏は引き続き代表権は持つものの、ファミリーマートの社長から副会長となり、一歩引いた形になったので、玉塚氏より5歳年長で64歳という年齢はあれど、澤田氏がロッテHDの社長を打診されたとしても不思議ではなかった。

 ローソンで2002年から社長を務めていた新浪剛史氏は、2013年に一旦会長、社長制を取りやめてCEO、COO体制とし、玉塚氏をCOOにして“疑似社長期間”を設けた。

 自身はCEOとなり、翌2014年から社長ポストを復活させて玉塚氏に禅譲、新浪氏はサントリーホールディングス社長として移籍した。とはいえ、玉塚氏は2016年には早々に会長に就いたこともあり、ローソンでの実質的な社長期間はわずか2年ということになる。

サントリーHD社長の新浪剛史氏(時事通信フォト)

サントリーHD社長の新浪剛史氏(時事通信フォト)

 一方、ローソンの親会社である三菱商事は、同社出身の新浪氏がローソンを退任した2014年に竹増貞信氏を副社長として送り込み、竹増氏は2016年に社長に昇格。同年、玉塚氏は前述したように会長となり、翌2017年にはあっさりと退任してしまった。

 2017年は三菱商事がローソンの株式を買い増して子会社化した年であり、三菱商事がローソンのグリップを一気に高めたことで、玉塚氏は去就を考えざるを得なくなったともいえる。

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