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元サッカー日本代表もLGBTQ告白で東京五輪にまた重い課題

男性として生まれたハバードは女子選手として五輪に出場する(AFP=時事)

男性として生まれたハバードは女子選手として五輪に出場する(AFP=時事)

 スポーツ界のトランスジェンダー選手を描いた著書『トランスジェンダーの驚くべき権利向上』の共著者、トレド大学のジェミー・テイラー教授はこう言う。

「ハバードは、コロナウイルス禍で無観客となり、野次や罵声がないことが幸いして好成績を残すかもしれない。が、結果を出せば出すほど、トランスジェンダーの出場資格について厳しい目を向けてきた一部の米英メディアの追及を受けることは避けられない」

 これまでも五輪はLGBTQ問題の試金石になってきた。大会直前に、自民党がLGBTQの差別を禁じる法案に抵抗して国会提出を見送った日本にとって、五輪は大きな転換点になるかもしれない。競技上の問題だけではない。選手村や会場のトイレや更衣室、シャワー施設などでLGBTQ差別が取り沙汰されれば、世界的に“後進国”のレッテルを貼られるおそれもある。失態続きの東京五輪だけに心配は尽きない。

 オリンピズムの根本原則第6項にはこう書かれている。

「このオリンピック憲章の定める権利及び自由は、人権、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由によるいかなる種類の差別も受けることなく確実に享受されなければならない」

■高濱賛(在米ジャーナリスト)

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