厚生労働省の最新統計(2021年)によると、「7種類以上の薬を処方されている人」は65~74歳で12.9%、75歳以上では24.2%だった。高齢になるほど、薬の危ない「組み合わせ」によるリスクは高くなる。

「高齢になると肝臓や腎臓の機能が衰えることで薬を代謝し排泄する機能が低下するため、薬の効きすぎによる副作用が出やすい。組み合わせが悪ければ、さらにリスクを高めます。

 また医師のなかには専門外の薬に詳しくない人もおり、併用注意を見落とす恐れもある。患者さん自ら併用に注意すべき薬を知ることが大切です」(一石医師)

 長澤氏もこう指摘する。

「50~60代の患者でも、降圧剤や糖尿病治療薬、脂質異常症薬など慢性疾患の薬は長期間服用することになります。組み合わせによって直ちに問題が生じることはなくても、10年後は分かりません。自身の服用薬を確認し、リスクがないか注意する必要があります」

※週刊ポスト2021年9月17・24日号

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