著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)で爆笑問題についても言及している芸能研究家の岡野誠氏は2人が売れ続ける理由をこう分析する。

「忖度の蔓延る世の中で、太田さんは何を言い出すかわからないと期待を抱かせる昨今珍しい存在。それを止める役目の田中さんが輪をかけて、危ない発言をする時もある(笑)。また、56歳になった今も新しい漫才を作って披露し続けるという努力を決して怠らない。常に漫才師として戦う姿勢を見せている。

 これらに加え、2人には根底に人への優しさ、温かさがある。これも大きいと思います。事務所独立で辛酸を舐めたことで、同じような立場の人の心情や痛みを慮れる。その好例が田原俊彦さんへの対応でしょう。長女誕生記者会見でのいわゆる『ビッグ発言』で傲慢なイメージが付いてしまった田原さんに対し、愛情を持った上で太田さんが『俺以上に空気読めない!』、田中さんが『もう1回干されろ!』などと言っていた。2人が敢えて強めの突っ込みをしたことで、相対的に田原さんのぶっきら棒さが緩和され、ネガティブイメージが消えました。爆笑問題も若手に混じってもう一度這いあがろうとした時、年下に変に気を遣われるとマイナスになると実感していたから、そのような接し方をしたのでしょう」

 2017年11月には、ジャニーズ事務所を独立したばかりの元SMAPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾がAbemaTVで『72時間ホンネテレビ』を放送。デリケートな時期であったが、爆笑問題は真っ先にゲストのオファーに応じた。番組の放送作家を務めた鈴木おさむ氏は9月19日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)で、「ああいう状況で来ていただいて。本当に感謝しています。勇気もすごいですし」と話した。

 爆笑問題は太田プロ独立後に苦境に陥ったが、その経験を肥やしにして、56歳となった今も第一線で活躍し続けている。

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