さまざまな友情出演にも足を運ぶほどのフットワーク

きっかけはさんまの番組

「大学入学後わずか3週間で中退して、安定した人生を送るより、やりたいことをやって生きる方が育ての親への恩返しになると考え方を変えたようなのです。この頃、実の父親が抱えた借金の保証人になったことが原因で、育ての親であるムロさんの親戚が自己破産してしまったことも、何か影響したのかもしれません。ムロさんはそれ以来、お父さんとも会っていないそうです」(前出・舞台関係者)

 すぐには役者としての芽は出ず、26才になると役者仕事がゼロになった。ここでムロは一念発起する。

「舞台関係者の飲み会に手当たり次第に顔を出し、そこで『ムロツヨシです。使ってください』と、自分の顔と名前を売るようになったのです」(テレビ局関係者)

 そうした熱意が実を結び、2005年に29才で初めての映画『サマータイムマシン・ブルース』に出演し、その後、ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)に出演したことでブレークを果たした。

「今秋に初主演映画の公開が決まり、来年公開の映画も控えています。ドラマも撮影中ですし、とにかく大忙し。脇役から主演、笑いから泣きの演技まで幅広く活躍する、いまの芸能界では唯一無二の存在といえるでしょう」(前出・テレビ局関係者)

お母さんとは呼べなかった

 すでに人気俳優としての地位を確立したムロだが、それでも、周りを明るくしようとする姿勢はいまでも変わらない。

「めちゃくちゃいい人ですね。撮影のスタンバイ中って、仲のいい俳優さん同士で固まることが多いんですが、ムロさんがいると、初対面の人がいても自然とみんなが仲よくなるんですよね。カメラがムロさんに向いてないときこそ気合を入れて演技をして、カメラ前の俳優を笑わせにかかったりする一面も(笑い)。

 撮影中も打ち上げでもスタッフに対するリスペクトがあって、いろんな人と会話をしている印象です。それもすべて、芝居に真摯に向き合っていい作品を作ることに喜びを感じる人だからでしょう」(ドラマ関係者)

 その人柄は、40年以上会っていない母親にも同様だ。

「ムロツヨシは芸名で本名を明かさないのは、すでに新しい家庭を持っている母親に迷惑を掛けるかもしれないから。4才のときに自分のもとを離れた母親、育ての親を自己破産させた父親を恨んでもよさそうなのに、ムロさんにはそういった暗さが、一切ありませんね」(前出・舞台関係者)

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