「歩きスマホ」はゆがんだ正義感で憂さ晴らしの標的にされる
乗車位置よりも、電車に乗ってからの行動が何より重要だ。板橋さんが断じる。
「日本人は電車に乗っているときに油断をしすぎです。都内で電車に乗ると、イヤホンで音楽を聴いていたり、スマホに没頭している人の多さに驚きます。しかも最近は、周囲の音を遮断する高性能なノイズキャンセリング機能がついたイヤホンを愛用している人も多い。異変に気づくのが10秒遅れれば刃物で刺されたり、オイルをかけられて火をつけられ命にかかわることもありますので、周囲には注意を払って利用してほしい」
京師さんも続ける。
「私は車内で音楽を聴くときは片方の耳のイヤホンを必ず外します。車内の過ごし方は人それぞれですが、音楽に集中しすぎるのは危ない。また、力の弱い女性や子供が大音量で音楽を聴いたり、歩きスマホなどのマナー違反をしていると、ここぞとばかりにゆがんだ正義感を振りかざして、憂さ晴らしにわざと体当たりしてくる人もいる。標的にならないためにも、『ながら行動』は控えましょう」
早朝の通勤ラッシュや夜遅くの帰宅ラッシュ時には、居眠りする乗客の姿も珍しくないが、「確実に異変に気づくのが遅れる行為」だと板橋さんが指摘する。
「欧米の電車も昔に比べるとずいぶん治安がよくなりましたが、手荷物検査が行われる国際列車ならまだしも、日常的に乗車する電車で寝ている人などまずいません。日本では、新幹線の中でお酒を飲んで寝ている人もいる。その危険性も理解すべきです」
長旅だからと車内で乾杯するのはやめた方がよさそうだ。
※女性セブン2021年12月16日号