マインクラフトをプレイするドイツの子供(Getty Images)

世界で最も売れたゲーム『マイクラ』をプレイするドイツの子供(Getty Images)

『マイクラ』とYouTuberは「Win-Win」の関係

 そもそもなぜ、『マイクラ』は絶大な人気を誇っているのだろうか。ゲームカルチャーに造詣の深いゲームジャーナリストのJini氏はこのように説明する。

「『マイクラ』は2010年代を通じて特筆すべき作品の1つで、現状、世界一売れたゲームだと言われています。ですがこのゲーム、最初はNotchというハンドルネームのスウェーデン人が、30歳の時に独りで作ったものでした。なので企業が仕掛けるような宣伝は全くなかったんですが、ユーザー同士の口コミで爆発的にヒットしていったという背景があります。

 その口コミの一つが、ゲーム実況者やYouTuberでした。『マイクラ』では好きな建物を作ったり、自動生成のマップで冒険をしたりすることができるので、動画にする上でもYouTuberたちの個性が強く出て面白いんですよね。それでまた『マイクラ』人気に火がついて、YouTuberたちもデビューできた。今ではYouTubeをきっかけにゲームが人気になることは珍しくない現象です。『マイクラ』とYouTuberはまさにWin-Winの関係なんです」(Jini氏)

『マイクラ』とYouTuberの間には、好ましい相乗効果があった。まいぜんシスターズの人気も、こうした関係が後押ししたことだろう。それは口コミだけでなく、『マイクラ』のシステムにも理由があるとJini氏は語る。

「革命的なのが『マイクラ』におけるマルチプレイでした。これによって友達同士で同じ世界を共有して、一緒に冒険したり、建築したりできるようになった。友達と一緒にゲームすること自体は珍しくないですが、大抵はどっちが強いのか上手いのか、競い合う形式のゲームですよね。けれど『マイクラ』では、例えば一人が魚を釣って食料を集めながら、もう一人が住処を作るとか、バーチャルな空間での生活全てを友達と共有できるので可能性が無限にある。

 今で言う“メタバース”そのものですね。そこにさっきお話ししたようなYouTubeが組み合わさると、まいぜんシスターズみたいに複数人でYouTubeチャンネルを作るとか、有名なYouTuber同士でコラボするとか、そういうこともできるようになる。YouTuber同士の交流に『マイクラ』は極めて有用なんです」(Jini氏)

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