晴れて優勝が決まり、何の罪悪感もなく28日(日)は私も足を運んだ。艶笑落語を照れながらやる柳家喬太郎、手作りアニメの活弁師・坂本頼光。そして上映された作品は『蛸と赤貝』。なんと時代劇で道楽者の若旦那に鈴々舎馬風(1974年当時柳家かゑる)、お供がケーシー高峰というバカバカしさ。
そんな時代の空気をまとった小説『僕の理由なき暴行』(鈴木一・幻冬舎)。ピンク映画のシナリオを書き、ピンク映画に出演することとなった童貞大学生達の激動の1969年が描かれていて60代70代読者にはドンピシャで、ガッテン、ガッテン。
イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2021年12月17日号