ライフ

SDGs「17の目標」にフェミニズムをなぞらえてみた

2017年7月、「持続可能な開発目標(SDGs)」のPRのためピコ太郎さんが岸田文雄外相(当時)を表敬訪問(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

2017年7月、「持続可能な開発目標(SDGs)」のPRのためピコ太郎さんが岸田文雄外相(当時)を表敬訪問(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

 わたしたちは新たな価値基準のもとに新たな社会を生きる局面にある。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *
 あらためて強調すると他意があるように聞こえそうですが、「フェミニズム」も「SDGs」も、今の社会をいい方向に変えてくれる大切な考え方です。どちらも、私たちが一丸となって真剣に取り組まない限り、明るい未来はやってこないと言えるでしょう。

 しかし、なぜかというか、残念なことにというか、このふたつは「誰もが手放しで賛同したくなる考え方」というわけではなさそうです。どちらかか両方ともかはさておき、「あれはちょっとな……」と違和感を覚えている人は少なくないでしょう。

「SDGs」のほうは、言葉の背後から「ウサン臭さ」や「広告代理店臭さ」がプンプン漂ってきます。「フェミニズム」は、さらに深刻。各方面にプラスの影響もたくさん及ぼしているはずなのに、目につくのは「何かにイチャモンをつけて発売中止に追い込んだ」とか「気に入らないヤツを束になって攻撃した」とか、気が重くなるような出来事ばかりです。このままでは共感が大きく広がったり健やかに発展したりすることはできません。

 数式と同じで、マイナスとマイナスを掛け合わせたら、一気にプラスになるかも。ためしに、「持続可能なフェミニズム」の極意をSDGsの17の目標に学んでみましょう。私たちひとりひとりの問題なので、けっして大きなお世話ではないと信じています。

「SDGsの17の目標」を順にあげつつ、それぞれ「持続可能なフェミニズム」に寄与しそうなアレンジを加えてみました。。

1.貧困をなくそう
⇒発想と想像力の貧困をなくそう。世界は「敵」と「味方」だけではないし、ひとつの失言がその人のすべてを表わしているわけではありません。当たり前ですけど。

2.飢餓をゼロに
⇒魔女裁判をゼロに。気に食わない表現をやり玉にあげて、大勢で石をぶつけて抹殺する。さらに恐ろしいことに、参加者は自分はいいことをしていると思っています。

3.すべての人に健康と福祉を
⇒すべての人に共感と発言権を。「生きづらさ」を感じているのは女性だけではないはず。しかし、男性が自分の強さや弱さを迂闊に主張すると袋叩きにあいます。

4.質の高い教育をみんなに
⇒質の高い議論をみんなで。一方的に相手を悪者にしたり、都合が悪くなるとすぐ話をすり替えたりしていたら、どんなに素晴らしい主張も永遠に広がらないでしょう。

5.ジェンダー平等を実現しよう
⇒これを目指していることを忘れないようにしよう。発信力が増せば増すほど、そんなことよりも、取り巻きの称賛を得るために発言し始める傾向があるようです。

6.安全な水とトイレを世界中に
⇒安全な議論が成り立つ状況を世界中に。反論はいっさい許さない。疑問を口にするヤツはミソジニスト。敵を擁護したら敵。そんな姿勢では、話にも何にもなりません。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
⇒せっかくのエネルギーをクリーンに。さまざまな恨みつらみや男性憎悪、嫉妬や逆恨みなど、せっかくのエネルギーをドロドロにしてしまうのはもったいない話です。

関連記事

トピックス

公明党が不信感を募らせる背景には岸田首相の“二股”も原因(時事通信フォト)
【自公25年目の熟年離婚へ】日本維新の会と“二股”をする岸田首相への怒り 国会最終盤で公明党による“岸田降ろし”が勃発か
週刊ポスト
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト
イラン大統領「ヘリ墜落死」を佐藤優氏が分析 早々に事故と処理したイラン政府の“手際のよさ”の裏で密かに進む「国家の報復」
イラン大統領「ヘリ墜落死」を佐藤優氏が分析 早々に事故と処理したイラン政府の“手際のよさ”の裏で密かに進む「国家の報復」
週刊ポスト
家族で食事を楽しんだ石原良純
石原良純「超高級イタリアン」で華麗なる一族ディナー「叩いてもホコリが出ない」視聴率男が貫く家族愛
女性セブン
快進撃が続く大の里(時事通信フォト)
《史上最速Vへ》大の里、来場所で“特例の大関獲り”の可能性 「三役で3場所33勝」は満たさずも、“3場所前は平幕”で昇進した照ノ富士の前例あり
週刊ポスト
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
中条きよし氏(右)のYouTubeチャンネル制作費は税金から…(時事通信フォト)
維新・中条きよし参院議員、公式YouTube動画制作に税金から500万円支出 チャンネルでは「ネコと戯れるだけの動画」も
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売!「官房機密費」爆弾証言スクープほか
「週刊ポスト」本日発売!「官房機密費」爆弾証言スクープほか
NEWSポストセブン