「TBSラジオがFM化している」
他にも、新番組に関して疑問を抱いているリスナーはいるようだ。2020年に終了した『久米宏ラジオなんですけど』の代わりにバービーの『週末ノオト』、『有馬隼人とらじおと山瀬まみと』の代わりに臼井ミトンの『金曜ボイスログ』が始まったが、「今まで築いてきた“TBSラジオらしさ”が感じられない」という声も出ている。
「三村社長はラジオの市場自体を広げたいと考え、新規のリスナー獲得を目指している。確かにAMラジオは高齢者が聞くというイメージもあり、方向転換は必要でした。しかし、あまりに劇的な改革を進めると、既存のリスナーを失うというリスクもある。ずっと聴いていたリスナーたちは『TBSラジオがFM化している』と感じているようです」
昨年6月の『首都圏ラジオ個人聴取率調査』で、TBSラジオは20年ぶりに首位から陥落。8月にはTOKYO FMと同率で1位に返り咲いたが、10月にはTOKYO FM、12月にはJ-WAVEが単独首位になった。
「聴取率調査は重視してないと言いますから関係ないのかもしれませんが、世間はそうは受け止めないでしょうし、スタッフも本当に今のやり方で納得しているのか。1月の記者会見で、三村社長は今年度の業績について『営業利益は前年度を上回る見込みで、コロナ前の前々年度よりも大きく伸びそう』と話していますが、経費削減の効果もあったでしょう。“TBSラジオの顔”だった伊集院さんが朝のワイド番組から抜ける春以降、リスナーが激減してもおかしくない。この危機をどう乗り切るか。腕の見せ所です」
1970年代からTBSラジオで育った久米宏は『ラジオなんですけど』の最終回でゲストに伊集院光を呼び、「このあともTBSラジオをよろしくね」と託していた。その看板を失う局の今後はどうなるか──。