国際情報

佐渡金山の世界遺産推薦に韓国が抗議運動「国内にある日本の桜を伐採する」

桜に罪はない(時事通信フォト)

桜に罪はない(時事通信フォト)

 岸田内閣が「佐渡島の金山」を世界文化遺産候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦したことをめぐって、再び日韓関係が揺れている。登録の可否は来年6~7月に決まる予定だが、すでに韓国外務省は「佐渡金山は第二次世界大戦時に韓国人が強制労働の被害にあった現場だ」と遺憾の意を表明している。

 韓国社会ではすでに抗議運動が起きている。北東アジア生物多様性研究所が「王桜プロジェクト2050」という社団法人を設立。目的は、2050年までに韓国国内に植えられている日本のソメイヨシノを伐採し、済州島に自生する「王桜」という品種の桜に植え替えるというものだ。

 元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏が解説する。

「韓国国内ではこれまでも日韓関係が悪化すると“日本式の石灯籠だから撤去しろ”といった日本色を追放する運動が起きてきました。桜を見るという習慣は日本の植民地下で持ち込まれたと一部から否定的に捉えられていたので、以前から小規模ながら植え替えの運動はありましたが、今回それがエスカレートする形になりそうです」

 桜について日韓両国の間には浅からぬ由縁がある。100年以上にわたり韓国は日本のソメイヨシノについて「韓国起源説」を提唱していたが、2018年9月に遺伝子解析により否定されている。

「この件で韓国側は恥をかく形になったのですが、むしろ“それなら堂々と伐採できる”と今回の運動の追い風になっていくでしょう」(同前)

 はたして今回の運動はどこまで拡大するか。

「カギを握るのは3月の大統領選でしょう。現在は与野党候補が接戦を繰り広げていますが、以前から対日強硬論で知られる与党候補の李在明氏が大統領となれば運動がさらに熱を帯びる可能性もあります」(同前)

 日韓の間に満開の桜が咲く日はまだ先か。

※週刊ポスト2022年2月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

松岡茉優と有岡大貴
【8年交際の全貌】Hey!Say!JUMP有岡大貴と松岡茉優が結婚「この春、引っ越した超こだわりの新居」
NEWSポストセブン
中村芝翫と三田寛子
《愛人との半同棲先で修羅場》それでも三田寛子が中村芝翫から離れない理由「夫婦をつなぎとめる一通の手紙」
NEWSポストセブン
佳子さま
【不適切なクレームが増加?】佳子さまがギリシャ訪問中に着用のプチプライス“ロイヤルブルーのニット”が完売 それでもブランドが喜べない理由
女性セブン
杏が日本で入院していた
杏が日本で極秘入院、ワンオペ育児と仕事で限界に ひっきりなしに仕事のオファーも数日間の休みを決断か
女性セブン
渡部建
「夫婦生活に大切なものが3つあります」アンジャッシュ渡部建、新ビジネス「結婚式VTR」でのスピーチ内容が反響呼びオファー殺到
NEWSポストセブン
中村芝翫と三田寛子(インスタグラムより)
《三田寛子が中村芝翫の愛人との“半同棲先”に突入》「もっとしっかりしなさいよ!」修羅場に響いた妻の怒声、4度目不倫に“仏の顔も3度まで”
NEWSポストセブン
活動を休止中のもたいまさこ、今秋ドラマ主演予定の小林聡美
《3年間女優活動ナシ》もたいまさこの復帰願う小林聡美、所属事務所が「終活」で第二の旅立ちへ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
【独占スクープ】中村七之助が京都のナンバーワン芸妓と熱愛、家族公認の仲 本人は「芸達者ですし、真面目なかた」と認める
女性セブン
田村瑠奈被告
【戦慄の寝室】瑠奈被告(30)は「目玉入りのガラス瓶、見て!」と母の寝床近くに置き…「頭部からくり抜かれた眼球」浩子被告は耐えられず ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
日本中を震撼させた事件の初公判が行われた
【絶望の浴室】瑠奈被告(30)が「おじさんの頭持って帰ってきた」…頭部を見た母は「この世の地獄がここにある」 ススキノ事件初公判
NEWSポストセブン
ワキ汗が気になる季節がやってきた(PIXTA)
暑い夏、気になるワキ汗…「汗が出る部分を眠らせる新技術」を発見したマンダムの“タフすぎる研究員たち”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 名古屋にも抜かれる「大阪沈没」衝撃予測ほか
「週刊ポスト」本日発売! 名古屋にも抜かれる「大阪沈没」衝撃予測ほか
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
【父親とSMプレイの練習していた】瑠奈被告(30)の「女王様になりたい」に従った従順な両親の罪
NEWSポストセブン