そんな中、私がよく知る作家・夢枕獏が入退院をくり返し、凄絶にガンと闘っている。リハビリがてら昨年から「オール讀物」で始めた連載『仰天・俳句噺』も唐突に今月号で最終回だと書く。笑顔もチャーミングな小田原の作家である。早く元気になって、また林家彦いち等と大好きな釣りへ行ってもらいたいものだ。
「黒翁の窓」と題した句もいっぱい作っていて「点滴てんてんてん花冷えの夜」「点滴の古き恋かぞえるごとく」「点滴の窓に桜ラジオから昇太」(私の番組を聞いている)。
イラスト/佐野文二郎
※週刊ポスト2022年2月18・25日号