和田秀樹医師は「70代をどう生きるかが、長い老後のあり方を大きく左右する」と語る

和田秀樹医師

 大事なのは数値が多少高くても安定していることで、合併症の心筋梗塞や脳梗塞を予防したいなら「健康診断よりも心臓ドック、脳ドックがおすすめ」だという。

 もちろん身体だけでなく、心の面でも若々しさを保つことを忘れてはならない。

「70代になっても“変化のある生活”を心がけて、なるべく人づきあいは絶たないこと。人づきあいをすることは男性ホルモンが少しずつ増え、さらに人と交流することで意欲が増進するという好循環につながります。ただし、嫌な人とつきあおうとすると、かえって人との関わりがおっくうになるので逆効果。好きな人、気があう人とだけつきあえばいいんです」

 ストレスは老化の大敵。70代になったら「嫌なことはやらない」くらいの気持ちでいるほうがいい。

「例えば人に勧められて始めた運動も、どうしても嫌ならやらなくていい。合う合わないは人それぞれです。そのかわり、散歩や庭での土いじりなど“これならできる”という別の何かを見つけてください」

 70代になったら「楽しめているかどうか」を基準に考えることが、健康長寿の最大の秘訣なのだ。

(了。前編から読む

※週刊ポスト2022年3月11日号

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