(写真/AFLO)

1日3食が定着したのは江戸時代からという説も。飛脚をはじめとして体力が必要な仕事が多い当時と現代では、食事の量を変えた方がいいのは自明の理(写真/AFLO)

 自身もほぼ毎日、約16時間の“プチ断食”を実践しているという高雄病院理事長の江部康二さんも、現代人は食べ過ぎという意見に同意する。

「700万年にわたる人類の歴史は、3食摂るどころか飢餓との闘いでした。朝起きてから夜眠るまで食べ物を探し続けても、ありつけるかどうかすらわからない日々が当たり前だったわけです。

 わが国で全国的に3食が定着したのは、明治維新の際に陸軍が新兵を募集したとき“白米を1日3食食べられる”などを謳い文句に、貧しい農村に暮らす若い男性を集めた名残だという説もある。“朝食はパワーの源”などと教えられてきましたが、そこには医学的根拠はないのです。

 むしろ、食べ物が手に入らない狩猟採集時代の方が研ぎ澄まされた感覚も体力もあった。その頃の生活に立ち返る方が人間は健康になれるのです」(江部さん・以下同)

 江部さん自身、朝食を抜いた1日2食生活を20年間実践し、健康な体を保っているという。

「私は72才ですが、この20年間一切病気をしたことがありません。のんでいる薬はないし、体重もずっと変わらない。夜中にトイレに立つこともなく、裸眼で広辞苑も読めます。虫歯もゼロで聴力低下もなく背も縮まず健康診断は“オールA”です」

 自身で実践する傍ら、江部さんは糖尿病をはじめとした生活習慣病に悩む患者たちに同様の食生活を「食べトレ」として推奨している。

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