とはいえ、ミサイル発射はいつなされるかわからない。「危機管理リーダー教育協会」講師の有限会社「SOU」代表・濱田亮さんが言う。
「自宅にいるときは、2階建ての戸建ての場合は倒壊することを考え、1階ではなく2階に避難すること。そして窓ガラスが少ない部屋へ移動して伏せてください。たとえばトイレは窓が小さく、狭いため、柱も密にあるので揺れに対して強いといわれています。浴室も同じく逃げ場として適しています」
街中にいた場合はどうか。ウクライナは大型ショッピングセンターやマンションが被弾、激しく損傷を受けている。
「建物を見つけて入ってください。もし建物がなければ完全に地べたに這いつくばる。爆風や窓ガラスが割れて破片が飛んでくるので、立っていたら命はありません」(宮坂さん)
濱田さんはこう話す。
「住宅街を歩いているときであれば塀に隠れるように、また橋の下に入れるようであればそこに身を隠しましょう。電車に乗っていたら窓から離れます。自動車を運転中ならば慌てずに停車して路肩に止め、エンジンは切って」
逆に、絶対に避けたい場所があると濱田さんが続ける。
「東京・丸の内のようなオフィス街にミサイルが飛んできたら最悪です。ガラス張りの高層ビル街ですから、とっさに地面に伏せても大量に降ってくるガラス片を背中で受け止めることになってしまう。衝撃波で窓を突き破った上層階のデスクなどが落ちてくる危険もある。オフィス街にいた場合、建物に逃げ込むならトイレやエレベーターホールが頑強に造られているので逃げ場となります」
ミサイルに核や化学兵器が搭載されていることも想定せねばならない。まず、核兵器の場合はどうか。
「発射された時点では弾頭に何を搭載しているかわかりません。もし核だったら、生き残れたとしても避難が長期化することを覚悟せねばなりません」(宮坂さん)