(写真/AFLO)

スイスには官民合わせて約36万5000か所に核シェルターが設置されている(写真/AFLO)

「スイスは全国民を対象に軍事訓練が課されるなど、自力で敵を食い止めるという思想。どの国の味方もしないし、利用させない覚悟が決まっている。それと比べると日本は“アメリカ任せのいいとこ取り”と言われても仕方ない。海外で設置されている公共の核シェルターでは、平時には音楽会開催など多目的利用をしている。日本もまずは公共施設から設けていくべきでしょう」(福山さん)

 核シェルター販売実績日本一を誇る「ワールドネットインターナショナル」代表の中嶋広樹さんも民間の苦悩があるという。

「各国の核シェルターの設置率は政府が国策としているかどうかによります。私たちの会社がどんなに販売をがんばっても、数パーセントさえ普及させることはできません」

 国民の命を守るインフラだからこそ、国が責任をもって設置を進めるべきだろう。日本大学危機管理学部教授の小谷賢さんもこう言う。

「日本は“核戦争など起きない”という前提で動いている。スイスのように設置を義務づけたり補助金を出すなど、政府が音頭をとって設置を進めなければ、取り返しのつかないことになりかねません」

 ウクライナ戦争で、世界のさまざまなリスクが浮き彫りになった。この教訓を生かせなければ、私たちが放射能や毒ガスにさらされることになるかもしれないのだ。何より、核シェルター設置によって国民の危機意識を一気に上向かせられる。そうなれば日本が「平和ボケ」という悪名を返上できる日が来るかもしれない。

※女性セブン2022年6月2日号

関連記事

トピックス

高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
芝田山親方
芝田山親方の“左遷”で「スイーツ親方の店」も閉店 国技館の売店を見れば「その時の相撲協会の権力構造がわかる」の声
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン