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偽オーディションでキス強要、逮捕の無名監督が事件に使った卑劣な脚本

吉岡康成容疑者は何を思って脚本を書き、事件を起こしたのか…(本人のFacebookより)

吉岡康成容疑者は何を思って脚本を書き、事件を起こしたのか…(本人のFacebookより)

 映画監督の榊英雄氏や園子温氏らによる性加害が次々に報じられるなか、ある“無名監督”が注目されている。

 榊氏の第一報の前となる3月2日、映画のオーディションと偽り女性を集めて体を触り、キスしたとして当時52歳の吉岡康成容疑者が強制わいせつの疑いで逮捕された。

 事件に使われた脚本「教室」では、吉岡容疑者演じる男性が再会した小学校の同級生(出演希望の女性)に「ずっとお前のことが好きだった」と、いきなり教室でキス──と欲望丸出しのシナリオが書き綴られていた。

 5月には同様の手口の犯行で再逮捕(準強制わいせつ容疑)され、警視庁は余罪を追及している。オーディションに際しては「格闘技映画」への出演者を募集したと報じられているが、作品は架空のものではなかった。

「本業は建築プロデューサーだと言って、脚本を渡されました……」

 昨年末、吉岡容疑者に会った映画のラインプロデューサーの女性、木村さん(仮名)は言う。

「小さな映像プロダクションの関係者から『自分でお金を出して映画を作りたいという社長さんがいる』と紹介されました」

 木村さんが渡されたのは不良青年がキックボクシングを通じて更生し、良き仲間と出会うストーリーの脚本だった。

〈(キックボクシングは)他者を圧倒するものじゃない。他者を活かすために、内面を磨く/お前は礼節を重んじる態度を養うことからだ〉といった台詞が並ぶが、映画になるのだろうか。

「お金さえ払えば、プロも自主映画に参加しますよ。作品が面白いかと、仕事として引き受けるかは別ですから」(木村さん)

 実際、吉岡容疑者はカメラマンや助監督には商業映画より高いギャラを提示していたという。だが、木村さんは断わった。

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