いつき会ハートクリニックの佐藤一樹医師は、「素人用語で言う“血液をサラサラにする薬”も医師が漫然と処方している」と指摘する。
「高齢男性では降圧剤と脂質異常症薬に加え、低用量のアスピリンが抗血小板薬として処方されるケースが散見されます。胸痛を訴えて受診したある男性患者さんは『10年くらい診てもらっている内科で血をサラサラにしてくれるからと言われ、ずっと飲んでいる』と話していた。
しかし、検査をすると男性の心臓や脳にはリスクがありませんでした。生活習慣病の方に安易に『脳梗塞や心筋梗塞の予防のため』としてアスピリンを処方する医師がいますが、アスピリンは潰瘍による出血や喘息など副作用のリスクを考慮すべき薬で注意が必要です」
※週刊ポスト2022年6月10・17日号