近年、一層のコンプライアンスの遵守が求められるテレビ局にとって衝撃的なニュースとなった――。6月9日、東京・江東区で大麻を所持していたとして、フジテレビ社員の小林正彦容疑者(38)が逮捕された。乾燥大麻およそ80グラムを所持していた疑いが持たれており、本人は容疑を認めているという。フジテレビは社員の逮捕を受けて「誠に遺憾です」「司法の判断を踏まえ厳正に対処します」と放送したが、逮捕の一報は業界関係者にも大きな驚きとショックを与えた。
フジテレビの30代社員の男性が語る。
「逮捕が報道される前から、『小林さんが退社するらしい』という話は社内で噂になっていたのですが、まさかこんなことになるとは思いませんでした……。小林さんは長く編成制作局のバラエティチームに所属していて、たくさんのバラエティ番組にディレクターとして参加していました。社交的で局内だけでなく芸能事務所の関係者など知り合いがたくさんいて、いつも『この前はどうも!』なんてスタジオに来ている色々な人に挨拶していました。
チャラチャラしたタイプというよりは、“兄貴肌”のヤンチャな人という感じでした。刈り込んだ短髪で、いつも短パンにTシャツ姿で出社していました。あとはメジャーリーガーがかぶるような『平ツバ』のキャップを被っている姿が印象的でしたね」
『SMAP×SMAP』など数多くのバラエティ番組に携わっていたという小林容疑者だが、社内外に広く“敏腕ぶり”が知られるきっかけとなったのは、明石家さんま(66)のある一言だったという。小林容疑者と仕事をしていた40代の制作会社スタッフが言う。
「2015年だったと思うのですが、フジテレビの『FNS27時間テレビ』の番組内のやり取りのなかで小林さんを『コイツはめちゃくちゃ優秀なヤツなんや!』と紹介したんです。画面に映り込んだ小林さんはとても照れた様子でしたが、その場に一緒に出演していたナインティナインの岡村隆史さん(51)から『えぇなぁ、さんまさんに褒められて!』と言われて嬉しそうだったのを覚えています。放送後には周りからもそのことについて色々とネタにされていたみたいですよ」
小林容疑者は「人柄も良く、制作会社のスタッフや後輩からも慕われていた」(前出の社員)というが、自己都合で近く退社する予定だったという。大物芸能人からも仕事ぶりを認められ、将来を嘱望されていたテレビマンが過ちによって失ってしまったものはあまりにも大きい。