「時間稼ぎ」
吉川氏が問われているのは、人としての振る舞いだけでなく、国会議員としての資質である。
選挙区で4連敗して一度も当選したことのない吉川氏は、自民党にいたからこそ比例復活を遂げてきた。本誌報道に何ら説明もせず雲隠れしている間に、ボーナスにあたる期末手当の約290万円はちゃっかり受け取っていた。
吉川氏は訴訟を通じてXさんの年齢を確認してから、〈身の処し方について速やかに判断させていただく所存〉という。つまりは訴訟の判決が出るまで辞職せず、議員を続けるということだ。上脇博之・神戸学院大学教授(憲法学)が語る。
「判決が出るまで出処進退を決めないというのは、単純な時間稼ぎにしか見えません。その間も吉川議員には歳費や期末手当、月額100万円の調査研究広報滞在費(旧文通費)などが入ります。結果的にはそれらが訴訟費用にも充てられることになります。
日本は国民主権の国であり、国会議員はその国民の代表者です。疑惑、疑念を抱かれたら、それに対して報道機関の前で説明をしなければならず、説明を尽くしてなお国民から『NO』を突きつけられたなら辞任すべきです」
それでも自身に国会議員を続ける資質があるというのか──改めて吉川氏の見解を問いたい。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年8月5・12日号