芸能

香取慎吾主演映画の「妻の本音、夫婦あるある」が笑えて怖い

一見、平和な夫婦の姿にみえるが、妻の心の内は・・・。香取慎吾と岸井ゆきのが初共演で夫婦を演じる。(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

一見、平和な夫婦の姿にみえるが、妻の心の内は・・・。香取慎吾と岸井ゆきのが初共演で夫婦を演じる。(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

 夫婦の形はいろいろあれど、どうして夫や妻のグチには他人が共感する「あるある」が存在するのだろうか。

 映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』には、そんな共感ポイントがてんこ盛り。しかも既婚者はもちろん、結婚目前の人や、独身主義の人の「あるある」までもが登場しカオス状態。

「あるある!」と笑えるのは他人事として傍観しているからだが、あまりにリアルすぎていつしか自分と重なり、冷や汗がタラリ。「コレって自分にも当てはまるんじゃ・・・」とだんだん怖くなる。

 笑ってゾッとして、なのにどこか清々しい気分になれるこのストーリーの魅力を女性側の目線で読み解いてみた。

エグいけれど笑える妻の本音に、女性は共感

 SNSが当たり前になる以前なら、妻たちが集まる女子会がもっぱら夫どもに対するグチ大会だった。「あるある!」「だよね~」「うちも!」と出るわ、出るわの賛同意見。

 でも妻だって忙しい時代。予定をすり合わせての女子会は、だんだん実現が難しくなる。次第にグチは匿名のSNSに主戦場を移すのだ。

 もちろんその背景にはこんな思いもある。いつも同じメンバーでのグチ女子会には、ちょっとしたマウンティングがあって面倒なのだ。「ウチはヨソより幸せか、不幸か」なんて考えながらグチる女子会では、結局のところ本音にはなれない。

 しかもコロナ禍で、リアルでは以前ほどは会いにくい。となれば匿名OK、24時間受付中のSNSに、本音炸裂の投稿があふれることになる。

 家庭では良い妻、SNSでは夫に対する毒舌投稿。コレ、けっこう「あるある」だ。岸井ゆきの演じる日和も、そんな一人。

 ソファの隙間にクッサイ靴下を押し込んだままで平気な鈍感亭主、香取慎吾演じる裕次郎の”世話”をしながら、良い妻仮面の下に鬱屈した本音を押し隠している。その仮面を外すのはSNS<旦那デスノート>の中だけ。投稿内容はどれもエグいが、女性なら共感しきりで爽快感すらある。

 ふとしたきっかけで、その書き込みを裕次郎が知ったことで、夫婦関係はジェットコースターのごとく急激に変化していく。このままふたりは終わってしまうのか・・・・・・、とやきもきしながらも、観ていてちょっと笑ってしまう。

妻たちの鬱憤の吐き出し口となっている<旦那デスノート>(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

妻たちの鬱憤の吐き出し口となっている<旦那デスノート>(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

グチらなきゃ夫婦なんてやってられない

 日和の投稿は、文章のトーンが静かなだけに、辛辣だ。どこまで本気かわからないような殺意すら感じる。う~ん、怖い。

 でもこの感じ、既婚者ならわかるはず。ハッキリ言って、グチらずに夫婦なんてやっていられるかと、思う場面も多いだろう。

 もちろん、妻だけでなく夫だってグチはある。まったく他人だった二人が生活するわけだから、不満が出ないほうがおかしい。

 ただ、グチは顔の見える友だちに相手をしてもらうほうが良いような気がする。なぜなら、少しは加減して話すからだ。

 夫のみならず誰かの悪口は、聞き手の反応もあって、話しながらも罪悪感が生まれる。そこでブレーキがかかるのだ。「今の、ちょっと言い過ぎたな」「そこまで言わなくてもいいよな」と冷静になれる。

職場のホームセンターの同僚から、SNS<旦那デスノート>の存在を教えてもらった香取慎吾演じる裕次郎。(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

職場のホームセンターの同僚から、SNS<旦那デスノート>の存在を教えてもらった香取慎吾演じる裕次郎。(c)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

関連キーワード

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト