不溶性と水溶性、発酵性、シンバイオティクス、そしてセカンドミール効果──食物繊維を選ぶ上で重要なことはもう1つある。いくら食物繊維が炭水化物に多いからといって、米やパンなどで糖質を多く摂りすぎれば太りやすくなるほか、血糖値が上がって腸のストレスになる可能性がある。食物繊維が豊富で糖質が少ない食材を選ぶには、松生さんが考案した「FGI(ファイバー・G・インデックス)値」を参考にするのがいい。
「FGI値は『食材100gあたりの利用可能炭水化物(g)÷食物繊維(g)』で求められます。数値が低いほど、低糖質、高食物繊維です。FGI値が低い食材を積極的に選んで食べるようにすれば、無理なく食物繊維摂取量を増やすことができます」(松生さん)
FGI値もカロリーももっとも低い小松菜の食物繊維量は100gあたり2.4g。女性の1日の推奨摂取量である18gに到達するためには、3度の食事でさまざまな食材を口にする必要があることがわかる。だが「1日18g以上の食物繊維を摂取しないと……」などと自分にプレッシャーをかけない方が、腸にとっては明らかに有益だ。岡山大学大学院教授の森田英利さんは言う。
「人がつくるストレス物質は腸内細菌に悪影響を与えることがわかっています。腸活は、厳密に実践しようとせずに“毎日少しは水溶性の食物繊維を食べよう”といった程度の軽い意識で日々の食生活や献立を考える方が効果があります」(森田さん)
腸がよくなれば、全身がよくなる。まずは難しいことを考えず、とりあえず、食べてみるところから。
(了。前編から読む)
※女性セブン2022年9月29日・10月6日号