巨人を取材するスポーツ紙記者は、懸念を口にする。
「チームに一体感が感じられないんですよね。ベンチが重苦しい空気で、活気がない。主将の坂本勇人が女性スキャンダルを報じられて以降、笑顔が消えたのもチーム全体に影響しているように見える。原監督も今季のシーズン終盤になると選手に打撃指導を行なうシーンが見られなくなり、ベンチ前で1人座っている姿が目立つようになりました。選手たちとも距離を感じますし、あるコーチは『もうこの体制はきつい。早く辞めたい』と漏らしていました。今オフはFAを含めて大型補強に乗り出す可能性がありますが、劇的にチームが変わるとは思えない。来季は春先から低迷するようだと、原監督の退任を求める批判の声がさらに高まるでしょう。巨人が3年連続で負け越したことはないだけに、シーズン途中でも原監督が進退を決しなくてはならない場面が訪れる可能性もゼロとは言い切れません」
巨人の球団史上、シーズン途中の監督解任は、1947年に選手兼任監督だった中島治康氏が6月上旬に監督職を解かれて選手に専念し、後任に三原脩氏が就任したケースがあったが、それ以外は70年以上の歴史で途中解任は一度もない。背水の陣で来季を迎える原監督はチームを再生できるか。手腕が問われる。