坂本勇人一覧

【坂本勇人】に関するニュースを集めたページです。

坂本が欠場した期間にショートのスタメンで多く出場した高卒2年目の中山礼都(時事通信フォト)
巨人が悩む坂本勇人の後釜問題 高卒2年目・中山礼都、一塁定着・増田陸に光明
 交流戦で10位に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”坂本勇人(33)がいないと勝てないチームということ。坂本の後継者探しは数年前からチームの懸案事項だが、成果が出ているとは言い難い。 昨年の開幕前に先発ローテーション左腕の田口麗斗(26)を放出してまで廣岡大志(25)を獲得したのは、ポスト坂本を育てたいとの思惑が球団にあったためとされる。そのほかにも坂本の後釜と言われた選手は数多く、湯浅大(22)、若林晃弘(28)が期待されているが、これまで坂本ほどの目立った活躍はできていない。 とはいえ光明がないわけではない。 にわかに期待値が上がっているのが、高卒2年目の中山礼都(20)だ。坂本が戦線離脱した期間にショートのスタメンで多く出場し、守備では俊足を生かした広い守備範囲でチームを再三救った。 また、中田翔(33)や中島宏之(39)を押しのけてファーストのレギュラーに定着している打撃好調の増田陸(21)も、「入団時に『坂本2世』と期待された選手で、本職はショート。来年以降はショートで挑戦させても面白い」(巨人番記者)。 ただ、巨人で名ショートと呼ばれ、ヤクルトと西武を日本一に導いた名将・広岡達朗氏は「巨人の体制が変わらなければ、二の舞を演じるだけだ」と語る。「原辰徳監督を中心とする首脳陣が本気で後釜を作ろうとしないと、後継者なんて到底出てきませんよ。スカウトはレギュラーのライバルとなる素材を一生懸命獲っているんだけど、監督やコーチがこれを教えないもの。 私が監督なら何が何でも後釜を作るし、ショートだけでなく、全部のポジションでライバルを作って常に争わせるね。そのライバルを一生懸命教えて上手くなると、レギュラーはもっと上手くなりますよ。そうしないとレギュラーが伸びない。選手が安心したらチームは終わりなんです」 坂本は昨オフに後継者について、「実際、コイツやったら大丈夫かなという選手もまだいない」と語っていた。 後継者の誕生を最も渇望しているのは、坂本自身かもしれない。※週刊ポスト2022年7月1日号
2022.06.24 07:00
週刊ポスト
“頼れる主将”だが…(写真/共同通信社)
坂本勇人にチーム全体が甘える巨人の現状 どうなる「後釜がいない」大問題
 5月末から行なわれた交流戦で10位という結果に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”がいないと勝てないチームということだ。交流戦の結果について巨人の番記者がこう分析する。「大きく点差が開いて負ける試合が多かったことも問題ですが、一番は主将でショートの坂本勇人(33)がいないと投打ともに噛み合わないという点です。クリーンアップは繋がらないし、守備でもピンチに間を取るために、マウンドに歩み寄って投手に声を掛ける選手がいない。 ケガで欠場していた坂本の一軍復帰は交流戦後の見通しだったが、ヤクルトが好調だということと、巨人があまりに打てないことで合流の予定が早まった。坂本の後継者が育っていないことが露呈する形になりました」 事実、4月30日の阪神戦で坂本がケガをして離脱するまでの巨人は勝ち越していたが、離脱中は14勝18敗と落ちこんだ。「坂本頼り」を象徴した試合もあった。 40日ぶりに復帰した6月9日の西武戦では、坂本が三回に先制適時打を放つなど猛打賞の活躍。エース・菅野智之(32)が当日に発熱で先発登板を回避する緊急事態を主将が救い、3連敗から脱出する立役者となった。 球団OBで野球評論家の堀内恒夫氏は、翌10日のスポーツ報知の紙面で、〈あんたは天才! だから、もう休むんじゃねえよ! そんな声を坂本には掛けたくなったね〉 と絶賛した上で、〈私の現役時代で言うなら(坂本は)ON。掛けてくれる言葉で何度癒やされたり、冷静さを取り戻したか。ONはそういうことを自然にできた。坂本はその域に近づきつつある〉 と、坂本が代えの利かないスーパースターであることを認めた。勢いづいた巨人は10日の楽天戦でも勝利を収めた。 チームに支柱がいることは心強い一方で、坂本依存のチームは大きなリスクをはらんでいる。V9の後半を支え、現役引退後は巨人の投手コーチも務めた野球評論家の関本四十四氏が語る。「坂本は衰えて使えなくなるまで頼らざるを得ない選手であることは確かです。あれほどインコース打ちが上手いバッターはいないし打率も安定している。 しかし問題は守備範囲の広いショートというポジションが負担になってくること。その負担が大きくなる前に坂本の代替となる選手を見つけなければ、坂本と若手の切り替えが上手くいかず、3年間ぐらいショートが固定できない時代が来るかもしれない」失われた競い合いの精神 坂本は高卒2年目の2008年にショートのレギュラーに定着して以来、ゴールデングラブ賞を5回受賞。2016年に首位打者、2019年にMVPを獲得するなど、巨人で不動の地位を築いている。 一方で、坂本の「後継者探し」は数年前からチームの懸案事項として浮かび上がっていた。別の巨人番記者はこう語る。「坂本が30歳ぐらいの時から、球団は後継者を探し始めました。守備の負担が大きいポジションだし、故障のリスクもある。実際に近年は故障で戦線離脱するケースが増えており、今年は開幕直前、4月末と2回離脱しているし、腰痛という持病も抱えている。いつまでもショート兼主将という負担を背負わせるわけにもいかない。 昨年の開幕前に先発ローテーション左腕の田口麗斗(26)を放出してまで廣岡大志(25)を獲得したのは、ポスト坂本を育てたいとの思惑が球団にあったからです」 そのほかにも坂本の後釜と言われた選手は数多く、湯浅大(22)、若林晃弘(28)が期待されているが、これまで坂本ほどの目立った活躍はできていない。在京スポーツ紙デスクが分析する。「廣岡は守備でイージーミスが多く、湯浅は打撃面で課題が残るなど、どの選手も実力面で坂本に劣りますが、それ以前に一番の問題は精神面です。いずれの選手も坂本を尊敬のまなざしで見ていて、“超えてやる”という気概がない。それは他のポジションの選手も同じです。 坂本が復帰した試合後に4番の岡本和真(25)は『坂本さんがいると僕らも凄く安心感がある』と話していましたが、本来はチームを引っ張っていく立場の選手。チーム全体が坂本に甘える精神状況になっているので、次期ショートも次期主将も生まれてこない」 そうした中で光明となっているのが、高卒2年目の中山礼都(20)だ。坂本が戦線離脱した期間にショートのスタメンで多く出場し、守備では俊足を生かした広い守備範囲でチームを再三救った。だが、まだまだ坂本の「正統な後継者」の地位は築けていない。“坂本頼り”なのは、選手だけでなく球団側も同じだ。読売関係者が語る。「坂本はファンの人気が高く、グッズの売り上げも図抜けています。実際、坂本を観たいが故に球場に足を運ぶファンは多い。正直、人気でも他の若手選手では全然太刀打ちできません。収益的な面でも坂本にはまだまだ第一線で頑張ってほしい」 何よりポスト坂本が生まれない大きな原因は、「巨人から『競い合いの精神』が失われていることだ」と球団OBの黒江透修氏は訴える。 かつて巨人で長嶋茂雄氏と三遊間を守り、V9に貢献した黒江氏は、広岡達朗氏からショートのポジションを手にした経験をもとにこう語る。「僕は広岡さんには守備では敵わなかったので、打撃で抜こうと必死に練習しました。もちろん守備も広岡さんに追いつき、追い越すために、頭を下げて広岡さんに教わったりもした。荒川博コーチから“今のうちに広岡から守備を盗め”と言われて、広島から帰京する夜行寝台で一晩中、守備を教えてもらったこともありました。今の巨人の選手がそこまで努力して、何が何でもポジションを奪い取ろうとしているかと言われれば、そうではないでしょう」 かつて坂本も二岡智宏からショートのレギュラーを奪い取った。黒江氏が続ける。「広岡さんは聞かなくても“こうやったほうがいい”とアドバイスをくれましたが、坂本だって後輩たちが頭を下げてくれば教えますよ。広岡さんが“オレの後釜は黒江”と認めてくれたように、坂本にもそう思わせる選手が生まれないといけないよね。今の選手たちを見ると、坂本に一日でも長くやってほしいと祈っているように感じます」※週刊ポスト2022年7月1日号
2022.06.23 07:00
週刊ポスト
巨人・坂本勇人はコンバートに 若手有望株・中山礼都を「遊撃で使い続けるべき」の声
巨人・坂本勇人はコンバートに 若手有望株・中山礼都を「遊撃で使い続けるべき」の声
 巨人は主力選手が過渡期を迎えている。坂本勇人、丸佳浩、中田翔が33歳、菅野智之が32歳。リーグ優勝を狙う一方で、数年後を見据えると世代交代も図らなければいけない状況だ。なかでも坂本をいつまで遊撃手として起用するかは最大の問題だろう。スポーツ紙デスクが語る。「まだまだ球界屈指の遊撃ですし、本人も守れるという自負があると思いますが、守備の負担が多いポジションなので故障のリスクが伴う。今回のように故障で戦線離脱するとチームにとって大きな痛手です。2020年に2000本安打を達成しましたが、史上2人目の3000本安打も十分に狙えます。そのためには試合に出続けなければいけない。一塁コンバートを現実のものとして考える時期に来ていると思います」 坂本は替えが利かない選手だ。今季は「左内腹斜筋筋損傷」で、レギュラーに定着した高卒2年目の2008年以降で初めて開幕一軍を外れた。それでも、3月27日の開幕3戦目・中日戦から復帰すると4打数4安打の大暴れ。チームの首位快走の原動力になった。29試合出場で2割8分3厘、3本塁打、11打点をマーク。精神的支柱としてもその存在感は大きい。ところが、4月30日の阪神戦で負傷交代。「右膝内側側副靱帯損傷」で戦線離脱すると、チームも失速した。 坂本に代わって一軍昇格したのが高卒2年目の中山礼都だ。俊足と広角に打ち分けるバットコントロールが武器で、5月6日のヤクルト戦で3回に左前へプロ初安打をマークすると、プロ初盗塁に成功。丸佳浩の中前適時打で本塁生還し、プロ初得点を記録した。当初は本職でない二塁で起用されていたが、8日のヤクルト戦以降は「8番・遊撃」で8試合連続スタメン出場。18日の広島戦ではプロ初のマルチ安打、翌19日には決勝タイムリーを放った。 中山は他球団のスコアラーの間で評価が高い。昨年は二軍で規定打席には到達しなかったが、高卒1年目ながら打率は3割を超えている。高校とプロの投手では打席で感じる球の速さ、変化球のキレが全く違うだけでなく、金属バットから木製バットに変わり対応に苦しむ選手が多い。 セリーグ他球団のスコアラーは「高卒2年目時点の守備だけで比べれば、坂本より中山のほうが上です」と断言し、こう続ける。「打撃も中京大中京の時からミートセンスが抜群でした。能力の高さを考えたらプロの遊撃で10年以上飯を食える選手です。『一軍は育成機関ではない』という人がいますが、一軍で使い続けなければ対応能力が上がってこない。坂本が戻ってきた時に、中山が一軍でベンチを温めたり、二軍に逆戻りするようだと成長が遅くなってしまう。坂本も高卒2年目で二岡智宏(現・巨人二軍監督)に代わって一軍の試合に出ていた時は攻守でミスが目立ち、『なんであんな選手を一軍で使うんだ』と批判の声があった。個人的には坂本を復帰後に一塁に回して、中山は遊撃で使い続ける価値がある選手だと思います」 一塁は中田、39歳でチーム最年長の中島宏之が守っているが、不動のレギュラーとはいえない。坂本を一塁に回し、「坂本の後継者」と評される中山を遊撃で起用する。新たな布陣が誕生する可能性は十分に考えられる。 
2022.05.21 11:00
NEWSポストセブン
巨人でショートのレギュラーとして15年目を迎える坂本勇人の穴をどう埋めるか(時事通信フォト)
巨人の内野守備の大問題「坂本勇人の穴」を埋めるのは廣岡大志か中山礼都か
“唯一無二の存在”の穴をどう埋めるか──。開幕ダッシュに成功した巨人が4月29日から4連敗を喫している。29日の阪神戦はエースの菅野智之が右肘の違和感で3回降板。30日には坂本勇人が右ヒザ内側副靭帯の損傷と投打の軸の故障が発生。2人とも登録を抹消され、危機を迎えている。プロ野球担当記者が話す。「菅野の穴も痛いですが、3年前や去年も調子が上がらない時期があり、昔のように“投げれば勝つ”と計算できる投手ではなくなっている。今年の巨人は4月までに6人もの投手がプロ初勝利を挙げている。その勢いがどこまで続くかわかりませんが、若手投手陣が疲れたり、相手打者が慣れたりしてくるシーズン終盤ならともかく、序盤に菅野の怪我が判明したことは不幸中の幸いかもしれません。問題は坂本の穴です。ベンチにいるだけでも存在感があるキャプテンですから、登録抹消は巨人に大きな損失ですね」(以下同) 坂本は2008年にショートに定着してから、14年連続100試合以上に出場。3割を5度記録。2016年に首位打者、2019年にMVPを獲得し、ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞5回を受賞している。プロ野球史に名を残す選手の欠場は、巨人にとって痛手だ。 過去2年、坂本がスタメンから外れた試合を見ると、昨年は26試合9勝13敗4分と負け越し。一昨年は8試合5勝3敗と勝ち越しているが、途中出場もなかった5試合に限れば2勝3敗と負け越し。昨年9月5日、阪神との首位攻防戦では6対0とリードしていた6回裏の守備から坂本をベンチに下げると、代わりに入った若林晃弘と廣岡大志にエラーが出て同点に追いつかれ、引き分けとなった。 今年は坂本不在の開幕1、2戦は勝利を収めたが、登録抹消の5月1日から連敗している。3日の広島戦では代わりにスタメン出場の廣岡大志、途中からショートに入った増田大輝がエラーして大量失点に繋がった。「廣岡は守備の面ではやはり粗が目立つ。大事な所でのミスも多く、安心してショートを任せられるには至っていない。エラーは論外としても、坂本がいなくなると守備力が大幅に下がる。坂本欠場中は廣岡、若林などが起用されると思いますが、守備範囲の広さや球際の処理などで歴然とした差があります。 セカンドから吉川尚輝が回る可能性もあるかもしれませんが、そうすると今度はセカンドの守備力が下がる。今年、開幕からセカンドで好調を維持していますから、あまり変えたくないでしょう。原辰徳監督は内心、坂本が帰ってくるまでは5割でいいと計算しているかもしれません」 心配なのはショートという守備の負担が掛かるポジションで、坂本が右ヒザの靭帯を痛めたことだ。「レギュラー15年目ですからね。蓄積疲労も考えられます。歴代の名選手を見ても、ショートを15年も守った人はいません。阪神・吉田義男の14年、阪神・鳥谷敬の13年、西鉄・豊田泰光、阪神・藤田平、広島・高橋慶彦、横浜・石井琢朗の12年がトップクラスで、“ショートの寿命12年説”もある。スポーツ科学の発達もあり、坂本は未知の領域に挑んでいますが、チームとしてはそろそろ後釜を考えないといけない。 原監督もそうした事情を踏まえて、昨年はトレードでヤクルトから廣岡を獲得し、今年はキャンプから高卒2年目の中山礼都に期待をかけてきた。今回、中山が坂本に代わって初めて一軍に昇格しましたが、まだプロのスピードに慣れるのが精一杯の段階でしょう。ただ、今年は『同じ実力なら若手を使う』と明言していますし、一軍に上げたからには出場させていくと思いますよ」 坂本抹消後は廣岡が2試合連続ショートスタメンだったが、今後はどうなるのか。中山は3日の広島戦では8回の守備からセカンドに入り、プロ初出場を果たしている。坂本の穴を埋めて、次世代のショートレギュラーの座に近づくのは誰か──。
2022.05.04 07:00
NEWSポストセブン
バレルバットには種類がある。写真上から順に【1】長さが短い「ワンハンド」モデル、【2】オリックス・吉田や杉本が使用する重いモデル、【3】通常モデル、【4】打者の捕手側の手の動作を確認する「パームアップ」モデル
オリックス・ラオウの覚醒を促した「コブ付き」バレルバットの実力
 30歳にして初めてレギュラーに定着した男が本塁打王を獲得──2021年プロ野球でオリックスのリーグ優勝に、4番の「ラオウ」こと杉本裕太郎の“覚醒”が大きく貢献したことは間違いない。 プロ入り5年でわずか9本塁打だったラオウが、昨年いきなり32本を放った背景にあったのが「バレルバット」だ。考案者は日本人初の3A野手・根鈴(ねれい)雄次氏。ラオウは2018年から根鈴氏の指導を仰ぎ、バレルバットで研鑽を積んだ。 名前の「バレル」には2つの意味がある。グリップ上部のコブが樽(バレル)に似ていること。そして、「バレルゾーン」と呼ばれる野球理論に由来する。 バレルゾーンとは、野球データ分析で導かれた、最も長打になりやすい打球速度と打球角度のこと。時速158キロ以上の打球が26~30度の角度であがった場合(時速187キロ以上の打球であれば8~50度の場合)に長打が出やすくなる。根鈴氏は打球速度にかかわらず「常に20~30度の角度で打球を打ちたい」と指摘する。バレルバットは、打球がその角度に入りやすい設計になっているという。 形状は長さ約85センチ、重量約1500グラムと、通常のバットより1.5倍ほど重い。また、グリップ上部のコブに重りがあるため、バットの重心が手元付近にあるのも特徴だ。 こうした特徴から、どんな効果が得られるのか。本誌・週刊ポスト編集部員が実際にバレルバットを振ってみた。 日本では古くから、バットを地面と平行に出す「横振り(レベルスイング)」がよいとされてきた。ところが、バレルバットを横に振ろうとすると、遠心力がバットの先端側にかかって外向きに重みを感じる一方で、手元のコブにも重りがあり、腕に相当な力を込めて振らなければならなかった。 そうではなく、根鈴氏が推奨するのは「縦振り」だ。「重力に逆らわず、バットのヘッド(先端)を捕手側に倒しながら下に落とし、そのまま体の前で円を描くように振る。ゴルフスイングのようなイメージです。そうすれば余計な力を入れなくても、重力と遠心力が同じ方向に働いてスイングの味方になってくれます」見違えたスイングに 根鈴氏の指導を受けた『週刊ポスト』編集部員のスイングは、目に見えて上達し始めた。振り出しからヘッドが下がり、巨人・坂本勇人のようなスイング軌道に生まれ変わった。 バレルバットは長打力だけでなく、対応力の向上にも役立つという。「例えば、アウトコースの外側に逃げていく変化球がきても、バットのヘッドを落として見逃せば、泳がずに踏ん張ることができます。インコースの速球をファウルにせず、フェアゾーンに入れやすくもなる。あの落合博満氏も、この打ち方をしていました」 根鈴氏が指導する「アラボーイベースボール根鈴道場」(横浜市都筑区)には、4種類あるバレルバットのほか、先端に球体がついたバット「RMT Club」も置かれていた。根鈴氏がアメリカから直輸入した製品で、球体部分は0.9~3.6キロの重りとなっている。この器具でも「重力を生かした自然な縦振り」が身につくという。 最後に根鈴氏は、特殊な練習器具の使い方について警鐘を鳴らす。「バレルバットもRMT Clubも重量があるので、連続で素振りして力をつけようと考える人もいますが、それでは手首などの故障に繋がってしまいます。用具を正しく使い、重力を味方につける感覚を養うことが大切です」撮影/藤岡雅樹※週刊ポスト2022年3月4日号
2022.02.23 19:00
週刊ポスト
坂本・村上・紅林に続くか?巨人・秋広優人「高卒2年目ブレイク」の条件
坂本・村上・紅林に続くか?巨人・秋広優人「高卒2年目ブレイク」の条件
 昨年、ドラフト5位の高卒新人ながらオープン戦にも先発出場した巨人・秋広優人。球団では王貞治以来となる高卒ルーキーの開幕スタメンを期待されたが、オープン戦ではプロのスピードについていけず、開幕一軍にも残れなかった。シーズン当初は二軍でも苦労していたが、終盤になると徐々に慣れていき、9月29日には一軍で初打席にも立った。 今年は宮崎キャンプから一軍に帯同し、初の対外試合となったビッグボスこと新庄剛志監督率いる日本ハム戦では『3番・センター』に抜擢された。身長2メートルで長打力が魅力の秋広は、高卒2年目でブレイクできるのか。プロ野球担当記者が話す。「過去には巨人・王貞治や広島・前田智徳、巨人・松井秀喜、西武・森友哉などの大打者が2年目にフル出場かそれに近い試合数に出て、チームの主軸へと成長していきました。ただ、彼らは1年目もそれなりの試合数に出ている。数試合しか出場していない選手が高卒2年目にブレイクした例では、昨年のオリックス・紅林弘太郎、3年前のヤクルト・村上宗隆、巨人では2008年の坂本勇人らがいます」 高卒2年目の野手が開幕からスタメンを勝ち取るにはオープン戦でのアピールが必須になる。昨年の紅林は16試合で打率1割7分6厘、1本塁打、5打点だったが、終盤にホームランやマルチ安打を放つなど中嶋聡監督を起用に踏み切らせる活躍をした。 2019年の村上は2割4分5厘、4本、12打点と持ち前の長打力でアピール。日本ハムとの最終戦で2点ビハインドの8回裏に逆転3ランを放つなど、ホームラン数は12球団で3位タイだった。 2008年の坂本勇人は初戦の対ソフトバンクでマルチ安打を記録。その後、22打数2安打と打てなくなったが、3月11日の阪神戦で4打数4安打と爆発し、翌戦もマルチ安打、翌々戦では初ホームランと打ち始め、原辰徳監督の評価も上がっていった。最終的には2割4分0厘、1本、3打点。アスレチックスとのオープン戦でも猛打賞を記録し、脇谷亮太との争いに勝った。3人はいずれも開幕スタメンに選ばれ、1年間レギュラーの座を守った。「秋広の場合、対外試合を含めた実戦の序盤からアピールしていかないと、オープン戦途中での二軍落ちもあり得る。巨人は層が厚いですし、原監督は若手、ベテラン問わずに実力至上主義を掲げていますからね」 秋広は本職のファーストでは中田翔や中島宏之、ウィーラー、今キャンプから挑戦しているセンターにはチームの主軸である丸佳浩というライバルがいる。「紅林や村上は一発の打てる大型野手という魅力があり、その点では秋広も同じです。鍵になるのは守備力でしょう。紅林は前半戦はエラーも目立ちましたが、持ち前の強肩と守備範囲の広さがあった。坂本は及第点を残していた。村上はサードの守備はまだまだでしたが、ファーストではなんとか乗り切れた。 もうひとつ、“運”を引き寄せられるかもポイントです。紅林は2年連続最下位のチームで、若手を抜擢しやすい状況でした。坂本は開幕戦セカンドでのスタメンでしたが、二岡智宏の故障で2戦目から本職のショートに回り、その後二岡が復帰してもその座を明け渡さなかった。不慣れなセカンドだったら、1年定着できたかはわかりません。村上の場合は、畠山和洋の成績に陰りが見えてきて、一塁のポジションが空いていた」 今季から松井秀喜の背負った55番を身に着ける秋広。球団やファンの期待に応えられるか。
2022.02.16 07:00
NEWSポストセブン
昨年まで14年連続レギュラーで「未知の領域」に挑んでいる坂本勇人(時事通信フォト)
巨人・坂本勇人の凄さがわかる「ショートの寿命12年説」 歴代名手の実績は
 高卒2年目でショートのレギュラーを二岡智宏から奪い取った巨人・坂本勇人が昨年12月で33歳を迎えた。これまで14年連続100試合以上に出場し、3割を5度記録。2019年の40発を筆頭に15本塁打以上を10度も放ち、ゴールデングラブ賞も5度獲得しており、“歴代最強のショート”との呼び声も高い。プロ野球担当記者が話す。「野手では捕手の次に重労働のショートで14年もレギュラーを張り続け、打撃タイトルやMVPまで取る選手は前代未聞と言っていいでしょう。かつての名ショートは30歳を超えると他のポジションにコンバートされています」(以下同) イチローに破られるまで208打席連続無三振の日本記録を保持していた阪神の藤田平は31歳を迎える年にショートに加え、ファーストも守り始めた。新人の年に27本塁打を打って4年目で首位打者を獲得した元祖・大型ショートの豊田泰光は31歳でファースト、西武の黄金時代のチームリーダーでMVPも獲得した石毛宏典、“ブンブン丸”の異名で5年連続30本塁打以上を放ったヤクルトの池山隆寛は、ともに31歳でサードに転向している。 ショートで連続守備機会無失策の日本記録を樹立した大洋の山下大輔は33歳でセカンド、33試合連続安打の日本記録保持者で広島の黄金時代のリードオフマンだった高橋慶彦は33歳でレフト、トリプルスリーも達成した広島の野村謙二郎は33歳になる年にファーストやサードも守り始めている。華麗な守備で“牛若丸”と呼ばれた阪神の吉田義男は34歳でセカンドに転向している。「昔は選手寿命も短かったですし、スポーツ科学も発達していなかった。宇野や石毛、池山、山下、高橋、野村など1970年代後半以降、特に1980年代や1990年代に活躍した選手はコンクリートのような人工芝でプレーしていたため、今よりも負担が大きかった。最近の人工芝は素材も柔らかくなっており、年齢が高くなってもショートを務める選手はいます」 二塁手の荒木雅博と“アライバ”コンビで魅せた中日の井端弘和は35歳でセカンド、キャプテンとしてチームを牽引した阪神の鳥谷敬は36歳でサード、五輪やWBCでもキャプテンを務めたヤクルトの宮本慎也は37歳のシーズン途中にサードに転向している。中日・宇野勝は「もっと評価されていい」 宮本は2月7日公開のYouTube『川上憲伸 カットボールチャンネル』で“ショート12年寿命説”を唱えている。コンバート後も含めてシーズン連続100試合以上出場を基準とした場合、前述の選手を見ると藤田12年、豊田12年、石毛14年(ショート6年)、池山7年、山下10年、高橋13年(ショート12年)、野村10年、吉田16年(ショート14年)、井端9年、鳥谷15年(ショート13年)となる。「宮本は1997年にショートのレギュラーを獲得してから2008年のシーズン途中でサードに転向していますから、約12年ショートを守り続けた(2004年はアテネ五輪参加、2006年は故障で規定打席には到達せず)。そんな自身の経験も踏まえて出た言葉だったのでしょう。 鳥谷は13年連続守っていますが、1年目はショート52試合、セカンド30試合でした。吉田はセカンドにコンバートされた2年目にはセカンド69試合、ショート65試合を守っています。その年は35歳で当時にしては、かなりのベテランでした。いずれにしても、12年以上持った選手は歴史に名を残していますね」 トリプルスリーを達成した松井稼頭央は西武で8年、メジャーで1年ショートのレギュラーでその後セカンドに転向。ずっと日本にいたらどのくらいショートを続けられたか見たかったファンも多いだろう。「歴代の選手でもう少し評価されてもいいと思うのは、中日の宇野勝です。通算338本塁打、936打点を挙げた大打者の割に、頭でボールをヘディングした珍プレーのイメージが強いですが、ショートで初めて本塁打王に輝いた偉業を達成しています」 宇野はショートで130試合フルイニング出場した1984年、シーズン終盤の両チームの敬遠合戦が物議を醸したものの、阪神の掛布雅之と37本塁打でタイトルを分け合った。翌年も、バースの三冠王の影に隠れたが、リーグ2位の41本塁打を放っている。ショートで2年連続フルイニング出場という偉業を成し遂げたにもかかわらず、28歳を迎える1986年にはサードへ。極度の不振に陥ると、星野仙一監督1年目の1987年はショートに戻り、その後はポジションを転々とした。「この年も30本塁打を打ってフル出場。チームの顔なのに、翌年に立浪和義が入団すると、セカンドへ。しかし、その翌年は立浪の怪我もあって、またしてもショートでの守備出場が103試合を数えました。立浪が戻った1990年には外野にも挑戦し、翌年からはサードへ移った。チーム事情で散々ポジションを動かされながらも、1987年以降も25本塁打以上、70打点以上を4度も記録し、1989年には3割4厘でリーグ6位の打率を誇った。これだけチームのために働いたのに、1993年にはロッテへトレードされてしまいました」 その宇野でも不振などで83試合出場に留まった1986年を除けば、レギュラーを張ったのは13年。昨年まで14年連続レギュラーを張って首位打者にも輝いた坂本はやはり別格だ。「これから坂本は未知の領域に挑むことになる。過去の例を見れば、いつ衰えても不思議ではない。原辰徳監督も坂本を信頼しつつ、次のショートを誰にするか候補を見定めているでしょう。高卒2年目の中山礼都も期待されますが、すぐに坂本の代わりが務まるとは思えません」 昨年9月、阪神戦で6対0と大量リードした6回裏から坂本を下げると、守備が乱れて6対0から追い付かれて引き分けになった。巨人にとって、存在感の大きな坂本。驚異的なショート耐久年数をいつまで更新するか。
2022.02.10 16:00
NEWSポストセブン
骨折の巨人・坂本「ヤンキース帽でディナー」東京五輪で揺れる胸中
骨折の巨人・坂本「ヤンキース帽でディナー」東京五輪で揺れる胸中
 4月中旬の夜。都内の繁華街で、ミートソースパスタが680円という庶民派パスタ店から、見るからに屈強な男性3人が食事を終えて出てきた。ひときわ長身の男性は、パーカーに白のスニーカーとラフな服装で、被っているのはメジャーリーグの名門ニューヨーク・ヤンキースの野球キャップ。プロ野球の巨人の坂本勇人内野手(32才)である。 昨シーズンの11月8日、プロ野球史上53人目の通算2000本安打を史上2番目の若さで達成。名球会入りを果たした。いまや名実ともに“日本プロ野球界の名手”の1人だ。今シーズンも、36試合消化時点(5月9日現在)で打率.299、本塁打7本となっている。 その坂本に悲劇が襲ったのが5月9日のヤクルト戦。5回、一塁走者として、捕手からのけん制に対しヘッドスライディングで帰塁したところ負傷。右手母指(親指)末節骨の骨折が判明した。 あるスポーツ紙記者は「チームにとっても痛手ですが、何より本人がつらい。坂本選手は東京五輪での日本代表・侍ジャパンの金メダルを誰よりも欲していた。2019年に野球の世界大会『プレミア12』で野球人生初の世界一を達成してから、その思いは増々強くなっていたんです」と解説する。 以前から坂本本人も「現役の間に東京で五輪が行われて、野球が五輪競技に復活とすごいタイミング。ずっと出たいと思っているし、最高の瞬間に現役の選手でいられるのはすごくありがたい」と、並々ならぬ思いを公言している。 開幕直後にも、前巨人監督の高橋由伸氏(46才)からは「年齢的にもポジション的にも、坂本がかつての宮本慎也(50才)になれるか」と、2000年代の五輪とWBC(ワールドベースボールクラシック)で日本代表主将を務めた名キャプテンの“後継”に指名された。何よりも、侍ジャパンの稲葉篤紀監督からも常々「五輪のキーマンは坂本」と期待されている。 ところが、怪我に加えて、新型コロナウイルスの感染再拡大による3度目の緊急事態宣言。無観客試合を余儀なくされている中、五輪の中止も現実味を帯び始めてきた。前出のスポーツ紙記者は「世論も五輪中止の声が大きくなってきて、坂本選手も内心は複雑でしょう。五輪の初戦は7月末で、怪我は全治1か月と見られているので間に合う可能性はある。金メダルが目標で、坂本選手はその重圧を背負う立場だが、それ以前に五輪はあるのかがわからない状況。選手として難しい局面にある」と慮った。 なお、この日もキャップを被っていたヤンキースなどのメジャーリーグへの移籍の可能性については「2018年オフに巨人との5年の複数契約を結んだ時から『憧れはあるけれど、僕は日本で頑張ります』と、“生涯巨人”を決断しているとみられています。日本にいることを選んだ人ですから、東京五輪で日本の野球が世界一だと見せたかったのでしょうが……」(別のスポーツ紙記者) 多くのアスリートたちが固唾を飲んで見守る五輪開催可否の決定は、いよいよ間近に迫ってきている。
2021.05.14 16:00
NEWSポストセブン
昔の絶対的エースはすごかった(イメージ)
350勝投手の米田氏「坂本勇人の内角打ちはセだから通用」
 プロ野球で今季、史上2番目の若さで2000本安打を達成した巨人の坂本勇人(32)。榎本喜八(オリオンズなど)に次ぐスピード達成だが、もしリーグが違っていたら、道のりは順調ではなかったかもしれない。 阪急ブレーブスなどのエースとして歴代2位の350勝を挙げた野球評論家・米田哲也氏の評価は厳しい。「坂本は“内角打ちの名手”なんて呼ばれているが、日本シリーズを見る限りそれは過大評価です。本当にインコースが得意なら、もっとベースに近づいて打席に立つはず。坂本はあれだけベースから離れていても、ソフトバンク投手陣の徹底したインコース攻めに対応できず、詰まらされていた。彼の内角打ちはセだから通用しているだけ。やっている野球のレベルの違いが露呈した印象です。 もちろん、いいバッターなのでいずれ2000本を打ったでしょうが、パが主戦場なら数年は達成が遅れていたかもしれません」 パとセでは野球のレベルが違う──米田氏の言葉を裏付けるように、近年ではパからセに移って輝きを取り戻す選手が増えている。 ヒットメーカーとして知られる坂口智隆(36)は、オリックス在籍終盤は長く不振に喘いでいたが、2016年にヤクルトに移籍して復活。リーグの打率上位に名を連ねた。今季前半、楽天で不振に喘いでいたウィーラー(33)も巨人にトレードされ大活躍。日本シリーズでは本塁打を放つなどひとり気を吐いた。 ソフトバンクでファームに追いやられていた内川聖一(38)も、ヤクルトへの入団が決定した。「セならまだ通用する」との声が聞かれる。もはやセは“格落ち”扱いなのだ。 2005年に始まったセ・パ交流戦では、セが勝ち越したのは2009年のみ。日本シリーズも2003年以降、セが勝ったのはわずか3回となっている。 なぜここまで差がついたのか。俊足巧打でヤクルト・楽天で活躍した野球評論家・飯田哲也氏が分析する。「パを底上げしたのは、速球派投手の層の厚さによるところが大きいでしょう。セは先発を崩せばそれ以上の投手が出てこないが、パではたとえ負け試合のリリーフでも150キロ台の投手が出てくる。セがドラフトで即戦力投手を獲得して投手陣の穴を埋めるやり方なのに対し、ソフトバンクはじめパのチームは、将来性あるスケールの大きい若い投手を時間をかけて育成していく。それが力の差として現われています」※週刊ポスト2020年12月25日号
2020.12.14 16:00
週刊ポスト
かつてのドラフト1位選手が電撃トレード(澤村拓一。時事通信フォト)
澤村電撃トレード 「生涯巨人」のドラ1選手は意外と少ない
 巨人のユニフォームのまま、現役生活を終えるドラフト1位選手はどのくらい存在するのか──。9月7日、巨人・澤村拓一投手とロッテ・香月一也内野手の交換トレードが発表された。澤村は今季こそ不振で三軍落ちも経験したとはいえ、2016年のセーブ王であり、昨季も主に中継ぎとして43試合に登板し、防御率2.61を記録。2010年のドラフト1位選手のシーズン途中のトレードには驚きの声が上がった。 1965年のドラフト制開始以降、巨人は江川卓の『空白の1日』で大騒動を巻き起こしてボイコットした1978年を除き、54回のドラフト会議に参加してきた(1966年は1次、2次と2回あり)。1位という呼び名のなかった自由枠獲得で入団した2002年の木佐貫洋、久保裕也、2004年の野間口貴彦、三木均、高校生と大学・社会人ドラフトに分離されていた2005年から2007年までの希望枠で入団した福田聡志、金刃憲人を含めれば、巨人には60人のドラフト1位がいる。このうち、1973年の小林秀一を除き、59人が入団している。 実は、2010年の澤村拓一までの50人のうち、“巨人一筋”の選手は22人しかいない(現役の坂本勇人含む)。意外にも、過半数を超える56%の28人は他チームに移籍した後に、プロ野球生活に幕を閉じている(※2011年ドラ1の松本竜也は2015年に解雇。2012年以降のドラ1は全て現役選手。今回トレードになった澤村までを対象として計算した)。 2000年代以降に監督を務めた堀内恒夫、原辰徳、高橋由伸はいずれもドラフト1位で、現役時代を巨人で全うした。そのため、“巨人のドラ1”には特別なイメージがあるかもしれないが、実際には今回の澤村のようにトレードされることも往々にしてある。 年代順に追うと、1965~1973年のV9時代のドラフト1位で、移籍することなく現役生活を終えた選手は堀内恒夫、高田繁、湯口敏彦(3年目の春に急逝)、中井康之の4人だけ。当時はレギュラーが固定されていた上に、他球団から実績のあるベテランが毎年加入しており、若手の芽が出づらい環境でもあった。1969年の1位である小坂敏彦は3年しか巨人に在籍していない。この時期のドラフト1位が期待されていたような成長を遂げられなかったこともあってか、1974年オフに就任した長嶋茂雄監督は6年で2度のリーグ優勝に留まった。期待通りの活躍をしたドラ1選手たち しかし、1980年オフに藤田元司監督が就任すると、3年で2度のリーグ制覇を果たす。この後の王貞治監督は5年で1度しか優勝できなかったが、1988年オフに再登板した藤田監督は1989、1990年と連覇を果たし、監督生活計7年で4度の優勝に導いた。第1次長嶋政権最終年の1980年からFA(フリーエージェント)選手加入前年の1993年まで、巨人は1度しかBクラスに転落していない。 その背景には、ドラフト1位選手の期待通りの活躍があった。鹿児島実業の定岡正二を指名した1974年から、PL学園の桑田真澄を獲得した1985年までの12年間では、1976年の藤城和明と1979年の林泰宏、1985年の桑田を除いたドラ1の8選手が巨人のままユニフォームを脱いでいる。 この時代のドラ1野手に目を向けると、1975年の篠塚利夫が首位打者2回、1977年の山倉和博がMVP、1980年の原辰徳がMVPと打点王とタイトルを獲得。ドラ1投手では1981年の槙原寛己は新人王、日本シリーズMVP、1982年の斎藤雅樹は最多勝利5回、最優秀防御率3回、1985年の桑田真澄はMVP1回、最優秀防御率2回を獲得している。この3人は“三本柱”と呼ばれ、一時代を築いた。 それに比べ、1986年から1997年までの12年間で、移籍せずに巨人で現役を全うしたのは1990年の元木大介、1995年の原俊介、1997年の高橋由伸の3選手のみ。木田優夫、橋本清、河原純一、入来祐作のように一時期活躍した投手も、最終的には他球団へ移籍している。ドラフト1位だからといって、トレードに出しづらいという風潮は昔から存在しないのだ。FA制度が巨人からの流出も引き起こす 1993年オフにFA制度が導入されると、巨人は他球団から落合博満や川口和久、広沢克己、清原和博などの大物選手を獲得。1989年のドラ1で、東京六大学リーグで三冠王に輝いた大森剛はその実力を発揮する機会に恵まれず、1998年のシーズン途中に近鉄に移籍し、翌年限りで引退した。 1998年の上原浩治から2010年の澤村までのドラフト1位18人のうち、現役の坂本勇人を含めて巨人のユニフォームを着続けた選手は7人だけ。2004年の野間口貴彦、三木均、2005年の辻内崇伸、2007年の藤村大介は20代で現役を退いており、主力のまま現役を終えたのは阿部慎之助しかいない。巨人への入団を熱望し、優勝に何度も貢献した内海哲也や長野久義ですらFAの人的補償で他球団に移っている。昭和の頃より移籍市場が活発になった現代で、阿部のように“巨人一筋”で終われるドラフト1位は稀なのだ。 FA制度は巨人からの流出も引き起こし、松井秀喜や上原浩治、高橋尚成はアメリカに渡った。定岡が近鉄への移籍を断って引退した昭和の頃と違い、今は『巨人がプロ野球界の中心』という価値観も薄れているし、トレードをお払い箱と考える風潮もなくなっている。 1988年ドラ1の吉田修司は巨人在籍5年強で6勝しか挙げられず、1994年シーズン途中に岸川勝也との交換トレードでダイエーに移籍。新天地で水を得た魚のように活躍し、1997年から2003年まで7年連続で45試合以上に登板し、ホークスに欠かせない中継ぎ左腕として3度の優勝に貢献。41歳になる年まで現役を続けた。2008年のドラ1である大田泰示は日本ハムに移籍して開花している。潜在能力の高い“ドラ1”澤村のロッテ移籍は、復活への大チャンスになるか。■文/岡野誠:ライター、松木安太郎研究家、笑点研究家。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記』(青弓社)の巻末資料では田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)の視聴率やテレビ欄の文言、番組内容などを掲載。
2020.09.08 16:00
NEWSポストセブン
中西、加藤、門田…最強二冠王が語る「三冠王に必要なもの」
中西、加藤、門田…最強二冠王が語る「三冠王に必要なもの」
 長き球史で達成者はわずか7人(11回)。中島治康、野村克也、王貞治、落合博満、ブーマー・ウェルズ、ランディ・バース、松中信彦だけが成し遂げている。あの長嶋茂雄や松井秀喜ですら成しえなかった「三冠王」という大記録に、まだシーズン序盤とはいえ、期待を集める選手が両リーグに現われている。ただ、これまで数多くの強打者が“あと一冠”に涙を飲んできた。 好スタートを切ったのは巨人の岡本和真だ。10試合を終えた時点で打撃三部門のリーグトップとなった。その後、15試合終了時点(7月7日)で本塁打は2位、打点は7位となったが、打率1位はキープしている。 さらにセではDeNAの宮崎敏郎、広島の鈴木誠也、パでは楽天の浅村栄斗といった過去の打撃タイトルホルダーたちも3部門すべてでベスト5に名を連ねている(7月7日時点)が、球界のレジェンドたちは「最注目はタイトル未経験の岡本」と口を揃える。三冠王への道の険しさを誰より知る、惜しくも三冠王を逃した歴代の「二冠王」たちはどんなアドバイスを送るのか。「怪童」と呼ばれた中西太氏(87)は、西鉄入団2年目の1953年に本塁打、打点の二冠王に輝くも、打率が4厘届かず。その後も3度、二冠に輝くが三冠には届かなかった。最も三冠に肉薄したのは最終戦を残して本塁打、打点がトップだった1956年のシーズン。「チームメイトの豊田泰光を4毛下回る打率2位からの逆転を狙ったが、最終戦で三原脩監督は、両選手をオーダーから外しました。それまでタイトルに縁のなかった豊田に首位打者を獲らせたかった三原監督の温情だったと言われています」(元スポーツ紙編集委員) 当の中西氏はサバサバと振り返る。「僕の時代は三冠王が騒がれることもなく、個人記録よりチームの日本一が目標でした。豊田君と打率を競った時も、チームメイトと争う気持ちはなかった。最終戦の欠場も日本選手権のために練習をしただけで、三冠王は頭にありませんでした」 中西氏のようにチームメイトに三冠を“阻止される”ケースは少なくない。その典型が巨人の長嶋茂雄と王貞治。1963年は王が本塁打王に輝き長嶋の三冠を阻み、1968~1970年は長嶋が打点王を獲得して王に三冠を獲らせなかった。 岡本に置き換えて考えれば、坂本勇人ら巨人のチームメイトの調子もカギとなりそうだ。ただし、岡本の前を打つチームメイトが調子を落とせば、打点王が遠ざかるというジレンマも抱えている。◆ヒットを狙ってチャンスを逃す 三冠王は、自分の力だけで達成できるものでもない。1979年のパ・リーグ、三冠王を狙える位置にいた阪急の加藤秀司氏(72、当時は英司)は、近鉄のマニエルと本塁打王争いを続けていた。迎えたシーズン終盤の近鉄との直接対決。すでに阪急が優勝を確実にして消化試合ムードが漂う中、近鉄リードで迎えた8回裏に加藤を1本差でリードするマニエルが打席に立った。「誰もが勝負を避けると思ったが、マウンドの今井雄太郎は真っ向勝負。マニエルは今井の球をライトスタンドに放り込み、本塁打王争いの大勢が決まった。試合後に加藤が『消化ゲームでっせ。普通は歩かせるやろ』とボヤいたのを覚えている」(当時阪急担当の元在阪スポーツ紙記者) 加藤氏に当時の心境を聞いたところ、ぶっきらぼうにこう答えた。「誰にでも思い出したくない過去はあるんや。消化試合でウチのピッチャーが打たれた。それだけや」 シーズン終盤ではメンタル面が重要と指摘するのは、南海・ダイエー・オリックスで活躍した門田博光氏(72)だ。1988年に40歳で44本塁打、125打点で二冠王に輝くも打率.311で6位に沈んだシーズンを振り返る。「後半戦で本塁打王と打点王が確実になり、“あとは小さなスイングで打率を稼ごう”と考えたんです。しかしいつでも打てると思っていたヒット狙いに切り替えると、かえってうまくいかなかった。三冠を獲る最後で最大のチャンスだったんですけどね」※週刊ポスト2020年7月24日号
2020.07.12 16:00
週刊ポスト
無観客という舞台を生かすことできる才能あるか(時事通信フォト)
ボーア、浅村栄斗、村上宗隆ら 無観客で活躍期待される選手
 今季のプロ野球では、無観客を“味方”にして成績を伸ばす選手はいるのか。甲子園の優勝投手として1981年のドラフト1位で近鉄バファローズに入団、閑古鳥が鳴く“ほぼ無観客”のパ・リーグ球場を経験した金村義明氏(56)は阪神の選手たちに期待する。「甲子園で練習試合を見ていても阪神の選手は笑顔でノビノビやっている。甲子園の大声援は調子がいい選手にとってはこれ以上ない追い風になるが、虎党のヤジは不調な時にプレッシャーにもなる。甲子園の大観衆にのまれてすぐ自由契約になった一昨年のロサリオにもう一度チャンスをやりたいくらい。ボーアの性格はわからないが、無観客のオープン戦では3試合連続本塁打を打った。パワーはバース以上のボーアをはじめ、高いレベルで競争している大山(悠輔)や北條(史也)、木浪(聖也)に期待したい」 虎党の牙は阪神の選手にだけ向けられるわけではない。1971年に東映フライヤーズに入団し、翌年南海ホークスに移籍、引退時は阪神タイガースに在籍していた江本孟紀氏(72)が語る。「巨人の坂本勇人と大城卓三はもし観客を入れての試合なら、虎党の格好の餌食だったでしょうね。藤浪晋太郎ばかりが叩かれた“お返し”がありますからね。 阪神相手の試合に限らず、今季FAで移籍した選手は喜んでいるでしょう。ロッテ・福田秀平、美馬学、楽天・鈴木大地はいずれも同一リーグ内の移籍だからファンのヤジも容赦ない。昨年、西武から移籍した楽天・浅村栄斗も西武ドームでは大ブーイングでしたから。まあ、浅村はそれでも自己最多の33本塁打を打っているだけに、今年はもっと遠慮なくプレーして打ちまくるのでは」 若手選手の大ブレイクが期待できるとの声も。現役コーチが語る。「解説者がグラウンドに入れなくなるので、選手への指導もできなくなる。若手選手はOBの大好物で、ヤクルト・村上宗隆らブレイク組から日本ハム・清宮幸太郎ら低迷組まで毎年、様々な“助言”が送られます。いまの若手は素直な性格が多いので、正直に聞いてしまい、自分のフォームを見失いがちでした。今年はコーチの指導だけを聞いてもらえそうだ」 逆に言えば“重圧”を都合のいい言い訳に使えないシーズンになる。※週刊ポスト2020年7月3日号
2020.06.22 07:00
週刊ポスト
今シーズン中に球団歴代1位の勝利数に到達しそうな巨人・原辰徳監督(時事通信フォト)
『ジャイアンツ愛』から18年、巨人・原監督の名将への軌跡
 昨年、5年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした巨人。6月19日に開幕する今季プロ野球で通算14年目を迎える原辰徳監督はこれまで1024勝を挙げており、順当に行けばシーズン中に長嶋茂雄監督の1034勝、川上哲治監督の1066勝を抜き、球団歴代1位の勝利数になりそうだ。なぜ、原監督は“勝てる監督”になったのか。野球担当記者が話す。「時代によって、采配スタイルを変えてきたことが大きい。2002年、長嶋監督の後を受けて43歳で就任した時は『ジャイアンツ愛』をキャッチフレーズに、選手を尊重して情に厚い指揮官でした。松井秀喜が全試合4番に座り、二冠王を奪取。前年まで不振に陥っていた桑田真澄も復活して、最優秀防御率を獲得した。原監督が選手を信じ、我慢して起用したことで、斉藤宜之や鈴木尚広など長嶋政権時代には芽が出なかった若手が成長し、チーム全体がのびのびとしていました。毎年のように大型補強をしていた長嶋監督時代と異なり、この年の補強は新外国人のワズディン、クレスポ、中日からFAで前田幸長を獲ったくらいでした」(以下同) 2002年は序盤こそ星野仙一監督1年目の阪神が快走したが、夏場には巨人の独走状態に。2位・ヤクルトに11.0ゲーム差をつけ、原監督が宙に舞った。日本シリーズでもパ・リーグ王者の西武を圧倒し、4勝0敗で日本一に。選手時代の1990年、0勝4敗と叩きのめされた相手に雪辱を果たした。新たな黄金時代の到来かと思われたが、オフには松井がヤンキースに移籍。その一方で、松井と本塁打王を争っていたロベルト・ペタジーニをヤクルトから獲得した。「“脱長嶋野球”で日本一になったのに、他球団の4番を奪ってくるという補強に逆戻りしてしまった。原監督の意思というより、フロントの意向だったのでしょう。ペタジーニの本職である一塁には清原和博がいるため、外野で起用しましたが、開幕戦で本塁への送球を暴投するなど守備の乱れも目立った。この頃の原監督は良くも悪くも頑固で、前半戦は清原が欠場していてもペタジーニを外野で使っていましたし、抑えの河原純一が何度失敗しても9回を任せ続け、チームの調子は上がりませんでした」 この年は3位とAクラスを確保したが、原監督は球団代表との確執も噂され、辞任。後を受け継いだ堀内恒夫監督が3位、5位に終わると、2006年から第2次原政権が始まった。スタートダッシュに成功し、最大貯金14と首位を快走したが、交流戦で失速。6月に8連敗、10連敗、7月に9連敗を喫し、最下位に落ちた時期もあった。なんとか4位に踏みとどまるも、借金14で球団史上初の2年連続Bクラスに終わった。「この年がターニングポイントでしたね。故障者が続出したことで、『巧い選手ではなく、強い選手が欲しい』と言うようになった。時折非凡さを感じさせるプレーをする選手よりも、年間を通して働ける選手を望みました。“強い選手”は計画性や己を律する能力がある、と原監督は考えています。2006年の惨敗をきっかけに、完全な実力至上主義を打ち出し、情に厚いイメージが消えた。このオフから『ジャイアンツ愛』という言葉が、ほとんど聞かれなくなりました」 2007年の春季キャンプで、前年の後半戦に1番として起用した鈴木尚広、チームリーダーとしても期待の二岡智宏がケガで離脱すると、報道陣に〈鈴木? 痛いのかゆいの言って、土俵にも上がっていない。二岡? そんなのいたっけ?〉と突き放した。シーズンに入ると、二岡は139試合に出場し、打率2割9分5厘、20本塁打と主軸として活躍した。しかし、7月の広島戦では、チャンスの場面で代打に小関竜也を送るなど厳しい一面を見せた。「原監督はコーチの頃から二岡に大きな期待を掛けていましたし、レギュラー選手のプライドを重視していた第1次政権では考えられない采配でした。結果的に小関は凡退し、この用兵は当たらなかった。ただ、誰も特別扱いしないという方針を示したことで、チームに緊張感を生んだ。 この年、原監督は1番に高橋由伸を抜擢し、先発に拘っていた上原浩治を抑えに回した。オフにはFAで小笠原道大、トレードで谷佳知を獲得した。彼らがシーズンを通して働いて“強い選手”の模範となり、巨人は5年ぶりの優勝に輝きました。監督の意識改革が、そのままチーム改革につながった。小笠原や谷の補強は数字の面だけでなく、練習への姿勢などでも他の選手への影響を与えていた。指揮官にはそんな狙いもありました」 原監督は2007年から3連覇、2009年にはWBCで指揮を執り、世界一に導いた。落合博満監督の中日に2年間覇権を渡してしまうが、2012年からまた3連覇。2位に終わった2015年限りで退任したが、2019年に復帰するとチームを5年ぶりの優勝に導いた。「プロ野球の歴史を振り返ると、名将と呼ばれた監督たちも在任期間が長くなると、徐々に勝てなくなってくる。原監督のように“第3次政権”となると、過去の成功体験に囚われてしまいがちです。選手の考え方は世代によって変わっていきますし、時代に合わなくなっていくのです。 しかし、原監督は常に自身をブラッシュアップさせ、考え方も戦略も柔軟に変化させている。肉体は衰えますが、思考は何歳になっても変えられると示しています。昨年、丸佳浩や炭谷銀仁朗というFA組は活躍したが、期待された中島宏之や岩隈久志という移籍組、ビヤヌエバやクックといった新外国人は数字を残せなかった。エースの菅野智之も不調に陥る中、原監督が選手を適材適所で起用することで、なんとか優勝できた。第2次政権で山口鉄也や松本哲也などが育ったように、昨年も増田大輝や若林晃弘が伸びました」 今年の巨人はオフに目立った補強もできず、戦力的に頭抜けているわけではない。坂本勇人や大城卓三が開幕から全開というわけにもいかない。先発も、昨年の勝ち頭である山口俊がメジャーに行き、菅野以外で計算できる投手が少ない。苦しい状況の中、原辰徳はどう選手をやり繰りし、巨人監督最多勝利を実現するか。
2020.06.17 16:00
NEWSポストセブン
巨人「正捕手」争い“大城当確”から白紙へ まさかの混迷
巨人「正捕手」争い“大城当確”から白紙へ まさかの混迷
 坂本勇人(31)、大城卓三(27)の2選手の新型コロナウイルス“微陽性”が判明した巨人。すでに陰性の判定がくだり、6月12日に退院したが、10日間にわたる入院を余儀なくされたことで調整の遅れが懸念されている。ファン以上に落胆しているのが原辰徳監督だろう。巨人担当記者が語る。「原監督は2018年オフの再就任当初から、阿部慎之助(現・二軍監督)のような“打てる正捕手”を育てたいと考えていて、その最有力が東海大相模、東海大の後輩にあたる大城だった。しかし、投手陣の不安定さもあり、昨年は小林誠司(31)、炭谷銀仁朗(32)と3人を併用する体制を取らざるを得なかった。それが今季、大城はさらに打撃を開花させ、可能性を見せつけた。原監督もご満悦で、メディアの取材でしきりに大城の成長を口にしていました」 6月2日の西武との練習試合では、これまで小林と組んでいたエース・菅野智之(30)の女房役に抜擢され、「開幕戦の正捕手は大城」で決まりと見られていた。その翌日にまさかのコロナ感染が判明し、事態は急変する。「6日の練習試合で先発マスクをかぶった小林は3回に同点適時二塁打、4回は勝ち越し本塁打と大暴れ。ベテランの炭谷も負けていない。同試合で途中出場すると2安打を放ち、翌7日のヤクルト戦でも2本の2塁打と猛アピール。どちらも守備やリード、経験には定評があって、唯一の懸念が打撃だっただけに、正捕手争いは白紙に戻った。大城はコロナ感染で同じ“こうたい”でも抗体でなく後退です」(前出・巨人担当記者) 昨年は先発投手によってスタメンマスクが変わり、菅野、山口俊(32)、畠世周(26)の登板試合は主に小林がマスクをかぶって91試合出場。高橋優貴(23)、ヤングマン(30)の時は炭谷で58試合、大城はメルセデス(26)とコンビを組むことが多く62試合でマスクをかぶった。巨人担当記者はこう続ける。「いまでも原監督は大城への信頼が厚い。一方で、投手陣からの評価は小林のほうが高い。12球団屈指の強肩で相手が機動力を使いづらくなり、投手としては助かる。今年も分業制を取るのか。原監督の決断が注目されます」
2020.06.16 07:00
NEWSポストセブン
PCR検査全員陰性 巨人首脳陣「開幕に勢いついた」のはなぜ
PCR検査全員陰性 巨人首脳陣「開幕に勢いついた」のはなぜ
 坂本勇人(31)が新型コロナウイルスに感染していたことが明らかになったプロ野球の巨人。抗体検査、PCR検査の結果を「微陽性」という初めて聞く言葉で発表したことも話題をさらった。その後、巨人と連絡を取り合っていた専門家が「医学的用語ではない」と火消しに回る騒ぎにも発展した。 とはいえ、すでに両選手の陰性も確認され、開幕戦には間に合う見込みだ。騒動の裏にはある“懸念”があった。「グループや派閥を組みたがるのが伝統の巨人においてキャプテンの“坂本組”は野手の最大勢力。同時に感染が明らかになった大城卓三(27)は坂本が可愛がっていた選手の1人だし、ほかにも自主トレに北村拓己、吉川大幾、湯浅大、増田陸ら期待の若手を連れて行っていた。当然、プライベートのつながりも深い。 阪神・藤浪晋太郎(26)の“合コンコロナ感染”の件があっただけに、“万が一”があったら選手のみならず、球界にとって致命傷になりかねなかった。チーム内に緊張が走ったが、PCR検査で選手監督スタッフ全員が陰性と判明したことで、首脳陣からは“これで開幕に勢いがついた”という声も聞こえてくるくらい」(巨人担当記者) どういうことか。巨人は関係者全員がPCR検査を受けて陰性だったためか、原辰徳監督、コーチ陣も練習試合中のベンチなどでマスクを着用せず、選手も余計な心配をせずパフォーマンスに集中できているという。「一時期はどうなることかと思いましたが、率先して感染症対策を訴えていたことで、球界の盟主として存在感を示した格好です。実際、原監督が要望した通り、開幕前に他の11球団も全員がPCR検査を受けることになった。後手後手で対応に追われる他球団を尻目に、いち早く“感染ゼロ”になった巨人は開幕に向けた調整でリードしている」(キー局スポーツ担当) 開幕前から名采配?※週刊ポスト2020年6月26日号
2020.06.15 07:00
週刊ポスト

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逮捕された「RYO&YUU」
公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」、性的動画アップは「親公認」だった 22歳の女は愛知・香嵐渓で全裸に
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タイトなウェア姿を投稿しまくりの小島瑠璃子と鷲見玲奈「ゴルフ女子」枠巡る熾烈な戦い
NEWSポストセブン
結婚を発表し、お相手を「建築会社」とした滝沢。「一般男性」とは言っていない
滝沢カレン結婚!「テラハ」出演“肉食系”ハーフモデルのどこに惹かれたのか
NEWSポストセブン
巨人に13.5ゲーム差でヤクルトが首位独走 「CS開催の必要あるのか」の指摘も
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NEWSポストセブン
左から主演のオースティン・バトラー、妻役のオリヴィア・デヨング、バズ・ラーマン監督、トム・ハンクス(EPA=時事)
『トップガン』『エルヴィス』大ヒットが示すアメリカの“昭和ブーム”
NEWSポストセブン
TBS・安住紳一郎アナウンサーの魅力の源は?(時事通信フォト)
TBS安住紳一郎アナ、恩師や先輩アナが明かす“天才的なしゃべり”“のスキル
週刊ポスト
判決が出る前に謝罪動画をYouTubeに公開していた田中聖(公式YouTubeより)
出身地を隠さないアイドルだった田中聖 罪を償い寛解したなら帰る場所はある
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
メディアの前に久しぶりに姿を現したブラザートム(撮影/黒石あみ)
ブラザートムが不倫騒動・事務所独立からの今を語る「娘にはよくハガキを書いてあげるんです」
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン