絵馬の柄には、鍵の力で心をつなぎ止めるという意味が。記入するのは自身の数え年・干支・性別で、願い事は心の中で

絵馬の柄には、鍵の力で心をつなぎ止めるという意味が。記入するのは自身の数え年・干支・性別で、願い事は心の中で

 記者が足を運んだのは、3連休の中日。50代と30代とみられるカップルが先客でおり、祈りを捧げていた。ふたりの参拝が終わるのを待つ間、順番待ちをしていたE美さん(51才)と話をした。

「私の場合はね、夫の不倫がどうにかならないかなって。ここ近所だから、ちょくちょくお参りに来ているんです」

 夫の入浴中に女性からのLINEがあり、それで不倫が発覚。夫を問い質し、別れを宣言させたものの、その後も関係が続いていたという。

「でも先月、夫の愛人が結婚したんですよ。夫とは二股だったみたい。半年ほど参拝を続けていたからご利益が得られたのかな。だから今日はお礼参りなんです」

 晴れ晴れとした彼女の笑顔にこそ、ご利益がありそうだ。

土日には占いもしてもらえる

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相応の覚悟を持って参拝すべき古寺

【大阪】円珠庵(鎌八幡)
住所:大阪府大阪市天王寺区空清町4-2

 学校や公園などが点在するのどかな住宅地にこの小さな寺はある。古くからここには榎の霊木があり、その噂を聞きつけた武将・真田幸村が、榎に鎌を打ちつけて“鎌八幡大菩薩”と称して祈念したところ、大坂冬の陣で戦果を上げたという逸話が残る。いまでも鎌を打ちつけることで人の縁、病根、悪霊断ちなどができると地元の人々からあつい信仰を受けている。

 訪れたのは週末の午前11時。境内に一歩足を踏み入れると……晴天の昼間なのにここだけ暗い。入って左手に多数の鎌が打ちつけられた榎が鎮座し、ろうそくの火に照らし出されていた。願い事をするには「週に1回は参拝する」などの“誓い”を立てなければならず、お礼参りも必須だ。かつてここを訪れ、記者に「縁切りならココ」とすすめてくれた知人Y(52才)はこう語る。

「結婚後も金の無心に来て、断ると幼い娘にまで暴力をふるう実母との縁を切りたくて東京から大阪まで月1回通っていました。本当に縁を切りたかったから、私も相応の覚悟で願掛けをしたんです。その後、母は交通事故に遭い入院。寝たきりになって認知症を患い、施設に預かってもらうことになりました」

 観光気分で気軽に祈願する、という雰囲気ではない。覚悟して参拝したい。

他人の絵馬を見るのも厳禁だ

境内は撮影禁止のため、お見せできないのが残念だが、絵馬には交差する2本の鎌が描かれている。他人の絵馬を見るのも厳禁だ

※女性セブン2022年11月24日号

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