「美容は女を強くする」
──名言が多いと言われる作品ですが、美に関する印象深い台詞が多い気がします。「美容ガチ勢になってから、ちょっときれいになったよね」「美容はな、女を抱きしめるんや」など、これは狙いでしょうか?
MEGUMI:はい。「美容は女を強くする」を何度も入れてほしいとか、リクエストはしました。ヨッピ(壱子の親友/ラランド・サーヤ)が言った「美容ガチ勢」というワードもそうですし、ひとつひとつの言葉は大事にしたいと。
──ご自身もやはり美容に抱きしめられているのでしょうか?
MEGUMI:美容はね、優雅にやるんではなくて、私にとって“気合い”なんですね。朝起きてジム行って、シャワー浴びて、シートパックをしながら、パソコンでメール返して、美容液を塗って、クリームで蓋をして「よっしゃ!!」と、毎日を生きているので。この積み重ねが“女性の自己肯定”につながるんですよね。
──MEGUMIさんが本企画の着想材料になったという、世界最下位の日本女性の自己肯定感。これが美容で培うことができると。
MEGUMI:続けていくうちに鏡を見て「あれ? 肌きれいじゃない?」みたいな気分がわいてくるから。その気持ちを得るためには、とにかくやるしかない、継続していくしかない。これが10年近く美容と深〜く向き合ってきた、私の持論です。
──MEGUMI さんの美容スイッチが入る瞬間を教えてください。
MEGUMI:もう24時間、一生です。ひたすら何かをしています。美容はケア用品を使うだけではないんですよ。朝一番、太陽にあたると「オキシトシン」という幸せホルモンが出るから、そのために散歩に行く。病んだら、自然に触れる。サウナに行ったり、お風呂場を暗くしてキャンドルの灯りだけで入ってリラックスする。そうやって淡々と体にいいことを繰り返していく。体の内側にアプローチすることも美容ですから。あと私はたまたま美容オタクなので、これがストレス発散になっているというのもあります。
──お話しを聞いていると多忙であることが伝わってくるのですが、ちゃんと寝られていますか?
MEGUMI:めっちゃ、寝ていますよ。だいたい、毎日6〜7時間は寝ています。寝ないとボロボロになっちゃいますもん。
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『カリスマ壱子』にはMEGUMIさんの、美容に対する原体験、並々ならぬ情熱が詰まっている。1時間のインタビューで、その思いはひしひしと伝わってきた。はて……私は今日誰に会いにきたのだろうか。誰もが舌を巻くマルチタレントと話しているはずなのに、いつの間にかカリスマ美容家と話している気分になっていた。これできれいになれるかしら。【第3回に続く】
【プロフィール】
MEGUMI(めぐみ)/1981年9月25日生まれ。岡山県出身倉敷市出身。第62回ブルーリボン賞助演女優賞受賞(2020年)。2016年には石川県の金沢に「Cafeたもん」をオープン。また、企画・プロデュースも行い、現在、手掛けたドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』(テレビ東京ほか)が放送中。
(取材・文/小林久乃)