2014年には二ノ宮厩舎のショウナンアデラでも勝たせてもらいました。ディープインパクト産駒で関東馬が勝ったのはアパパネ以来でした。ちょっと出遅れて直線でも詰まってしまったけれど、カニみたいに横歩きしながら進路を見つけ、空いてからはビューッと伸びてギュンッと前の馬を掴まえた感じでしたね。レベルの違う勝ち方でしたが、脚元が弱くて3歳時は1回も走ることができませんでした。無事だったら桜花賞でもいい競馬をしたのではないでしょうか。
このGIは1勝馬でも抽選で出走できることがありますが、そのつもりで調教をしていても除外される可能性があります。悩ましいところですが、1勝馬でも、チャンスがあれば出走させたいと思うところですね。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2022年12月16日号