去就が決まらない山口俊、平田良介
山口俊は高橋由伸監督時代の2017年にFA移籍。故障で出遅れて6月に一軍登録されるも、都内の病院で警備員に暴行を加えた上に、設備を壊した疑いで書類送検された。それでも、原監督復帰の2019年には最多勝、最高勝率、最多奪三振のタイトルを獲得、5年ぶりの優勝の原動力となり、名誉挽回を果たした。そのオフ、巨人初のポスティングシステムを利用してメジャーに移籍。しかし、結果を残せず、2021年6月に巨人に復帰した。
「選手の権利であり、夢のメジャー移籍を叶えたところまでは良かった。しかし、3Aに落ちたからといって、わずか1年ちょっとで出戻りするのは覚悟が足りなかったと思われても仕方ない。同じ釜の飯を食った元DeNAの筒香嘉智はメジャーで苦戦してマイナー生活が続いていますが、日本に復帰しようという意思を見せてない。もがき苦しむことが自分の野球人生にプラスになると思っているからでしょう。
山口は今季1試合の登板に終わり、故障もあるが、先発もリリーフもできる。便利屋になれる力はありますが、それを良しとするかどうか。本人にこだわりはなくても、暴行事件もありましたし、巨人にFA移籍したかと思えばメジャーに行き、すぐに帰ってきた。周囲から使いづらいというイメージを持たれているのでは。他球団は周りから情報を収集したり、過去の行いを見て判断するしかないですから、これまでの経歴がマイナスに働いていると思います」
中日の平田良介は退団会見が思わぬ波紋を呼んだ。「(球団に)盛大な(引退)セレモニーはできないと言われたことも『最後の理由』になったかなと思います」と話し、ファンからも批判を浴びた(後日、「誤解を生むような発言」だったと謝罪している)。
「言葉の使い方を間違えたのかもしれませんが、誤解を招くような言い方だった。もちろん、平田の実績を考えれば引退セレモニーを行っても不思議ではありません。しかし、ほとんどのプロ野球選手はセレモニーがないまま球界を去る。花道が用意されるだけでもありがたいと考えるのが普通でしょう。
まして通算成績が飛び抜けて良いわけでもない。あの会見で、少なからずお騒がせのイメージがついてしまった。ここ数年、異型狭心症の影響もあって数字を残せていないですが、平田が活躍すれば同じ病気を抱える人たちの励みにもなる。その機会を与える球団があるといいのですが……」
山口俊や平田がもう一度NPBで輝くチャンスはあるか。戦力外通告を受けたベテラン選手たちの去就に注目が集まる。