大切なのは「次に伝える」こと
光永師:むしろ満行してから始まるのが、千日回峰行の本質かもしれません。「残りの25日」を、自分の一生をかけて求めていくのが、本当のところだろうと考えています。
DAIGO:ずっと終わらないのですね。
光永師:もし終わりがあるとすれば、「次に伝えること」ができたときでしょうか。その意味では、私とDAIGOさんは「同じ修行」の道半ばにいる者同士ですね。
DAIGO:ぼくが !? 阿闍梨さんと同じでいいんですか。
光永師:DAIGOさんは家庭を守るために働いて、掃除をして、時には料理もなさる。仏道の修行でも、日常の振る舞いでも、勉学でも、仕事でも、趣味でも、大切なのは自分で身につけたことを「次の者」に伝える、伝え切ること。
ですから、子育てはまさに修行ですね。お子さんにすべてを伝え切る、伝えるに値する経験や価値を追い求めることを、これからの目標となさってはいかがですか。
DAIGO:長い道のりですけど、頑張れそうな気がします。今日は、本当にありがとうございます。「A・M・H」です!
光永師:その心は。
DAIGO:阿闍梨さん・マジ・ハンパない!
光永師:うれしいです。
【プロフィール】
光永圓道(みつなが・えんどう)/1975年生まれ。1990年に15才で得度受戒。2000年に延暦寺一山・大乗院住職に・2009年、千日回峰行を満行し北嶺大行満大阿闍梨となる。現在は、大乗院住職、覚性律庵(滋賀県大津市仰木4-36-20)住職。光永圓道大阿闍梨が、仏門の修行と千日回峰行の荒行を経て到達した「心地良く生きるための作法」を説いた『比叡山大阿闍梨 心を掃除する』が発売中。日々の掃除を通して心を整える極意とは。
DAIGO(だいご)/1978年生まれ。2003年にDAIGO☆STARDUSTとしてメジャーデビューし、2007年に3人組ロックバンドBREAKERZを結成。独特のキャラクターで注目を浴び、歌手のほかにバラエティーや舞台などで活躍。
撮影/黒石あみ
※女性セブン2023年1月5・12日号