続けるための秘訣
DAIGO:以前は、ライブをやって、打ち上げもやって、朝5時に帰ってくるような生活でした。いまは娘が6時半ぐらいに起きるので、ぼくもその時間に起きています。
光永師:お寺と同じですね。覚性律庵(圓道阿闍梨が住持するお寺)では、毎日5時半から仏さまへのおつとめです。
DAIGO:千日回峰行【※】の最中、阿闍梨さんは朝から晩までは、一般のお寺の住職さんと同じようにおつとめをして、深夜から次の日の朝まで回峰行。毎日4時間ぐらいの睡眠で「やるべきこと」を100日、200日と連続して続けてこられて。その時間のやりくりというか、「続けるための秘訣」を教えてもらえませんか。
【※ 地球1周分に相当する約4万kmを約7年かけて歩き抜き、9日間にわたって断食・断水・不眠・不臥で一心に不動明王を念じるという、平安時代から1000年以上続く難行苦行の修行】
光永師:DAIGOさんも「続けられている」と思いますよ。たとえば、44才になってもすっきりした体形なのは、そのスタイルを維持する努力が続いてきたからでしょう。
DAIGO:ぼくは毎年、お正月に目標をメモにするんです。たとえば「今年は、1週間に1曲作る!」とか箇条書きにして……でも結果としては、ほぼ出来ていません……。
光永師:千日回峰行は、たしかに言葉の上では「満行した」ことになっていますが、本質的には終わっていません。それは数字にも表れています。千日回峰行は、じつは「1000日」ではありません。最後の100日は75日の行で終えることになっています。つまり1000日ではなく「975日」で終えることになっているのです。悟り切ることは決してなく、一生をかけて残りの25日を行じるということになります。
DAIGO:そうなんですね。残りはあと25日だけなのに。
光永師:まさに、それが理由です。完璧というものはない。物事は常に途上にあり、達成というのは自分が思うより遥か先にあります。たとえ1年では達成できなくても、2年、3年、5年かけてでも達成したならば、失敗にはならないのです。
DAIGO:なるほど。