世界では117か国がおたふくかぜワクチンを定期接種しており、110か国が2回接種、7か国が1回接種しています。2回接種の方が効果は高く、WHOは2回接種を推奨しています。発症の数日前からウイルスを外に出して感染源となること、不顕性感染者が3割いることや感染力が強いことから、効果的に感染を予防するにはワクチン接種が唯一の有効な方法となります。
ワクチンの副反応では接種後2週間程度で軽い耳下腺の腫れや微熱が数%みられます。国産ムンプスワクチンでは2000~2500人に1人の頻度で無菌性髄膜炎が報告されていますが、自然感染の患者では10~100人に1人が髄膜炎を合併し、入院治療が必要となっていますので、それよりはるかに頻度は低くなります。
先日、私は30代の息子に接種させました。罹患歴、ワクチン歴も抗体もなかったからです。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所などを経て、現在は白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。
※週刊ポスト2023年2月10・17日号