芸能

高田文夫氏 紙文化の危機の中で見つめ直す、週刊誌でひっそり続く連載の深い味わい

高田文夫氏が考える週刊誌の楽しみ方とは(イラスト/佐野文二郎)

高田文夫氏が考える週刊誌の楽しみ方とは(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、週刊誌の連載について綴る。

 * * *
“紙文化消失”の危機に胸を痛めてると春風亭一之輔が私のラジオスタジオに飛び込んで来た。「どうした? 笑点」「笑点どころじゃないっすよ先輩」(私の日芸の後輩なのだ)「じゃあなんだ」「唯一、私が連載している“週刊朝日”が廃刊だか休刊しちゃうんですよ」このニュースに寂しい想いをしていたら翌週松尾貴史が「山藤章二画伯から、せっかく二代目“似顔絵塾”塾長を任命されたのに、たった1年で“週刊朝日”廃刊ですよ」。

 そうこうしているうちに「週刊ザテレビジョン」も休刊のニュース。私は結局、表紙でレモンを持ってにこやかに笑わずじまい。雑誌界・出版界もいよいよ。

 ラジコの出現でどうにか延命したラジオをきいていたら、やくみつるが「週刊誌の楽しみはなにもスクープやら特集だけにある訳じゃない。その誌面にひっそりとしぶとく書かれ続けられるコラム、エッセイにこそ深い味わいがある」。イヨッ、たまにはいい事言うじゃない、この“マナ板紳士録”。

 当誌にも私は勿論、春日太一、横山剣と揃っている。剣さんの「昭和歌謡イイネ!」は「週刊新潮」に書き続ける「タブレット純の昭和歌謡残響伝」と並ぶ私の“なつメロ勉強になるな”コラムの二大連載である。ふたり共おみごととしか言いようのない歌謡曲雑学。そこに自分のガキの頃の想い出を乗せてくるから珍味がおかしな方向に出てまた味が出る。

「週刊現代」では匿名の上、たった半ページだが「週刊テレビオヤジ」が個人的には面白い。意外なトピックがそっと書かれていたりする。これが週刊誌の楽しみ。

「週刊文春」では身びいきになるが「いまなんつった? 宮藤官九郎」「人生エロエロ みうらじゅん」「川柳のらりくらり 柳家喬太郎」は欠かさず読んでそっと笑っている。クドカンとみうらは「小説すばる」でもコンビ芸で楽しませタイトルがおみごと。「じゅんくどう書店へようこそ」みうらじゅん、クドウである。先日、渋谷の同名大型書店消失にも戦慄を覚えた。本も書店も消えてゆく。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日米通算200勝を達成したダルビッシュ有(時事通信フォト)
《ダルビッシュ日米通算200勝》日本ハム元監督・梨田昌孝氏が語る「唐揚げの衣を食べない」「左投げで130キロ」秘話、元コーチ・佐藤義則氏は「熱心な野球談義」を証言
NEWSポストセブン
ギャンブル好きだったことでも有名
【徳光和夫が明かす『妻の認知症』】「買い物に行ってくる」と出かけたまま戻らない失踪トラブル…助け合いながら向き合う「日々の困難」
女性セブン
破局報道が出た2人(SNSより)
《井上咲楽“破局スピード報告”の意外な理由》事務所の大先輩二人に「隠し通せなかった嘘」オズワルド畠中との交際2年半でピリオド
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
《私の最初の晩餐》中村雅俊、慶応大学に合格した日に母が作った「人生でいちばん豪勢な“くずかけ”」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
生島ヒロシの次男・翔(写真左)が高橋一生にそっくりと話題に
《生島ヒロシは「“二生”だね」》次男・生島翔が高橋一生にそっくりと話題に 相撲観戦で間違われたことも、本人は直撃に「御結婚おめでとうございます!」 
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
男装の女性、山田よねを演じる女優・土居志央梨(本人のインスタグラムより)
朝ドラ『虎に翼』で“男装のよね”を演じる土居志央梨 恩師・高橋伴明監督が語る、いい作品にするための「潔い覚悟」
週刊ポスト