そんな下積みがあって、さんまさんのしゃべりも身につけ、テレビによく呼ばれるようになったのは2009年、43歳の頃から。さんまさんのものまねは天職だと思いました。バラエティ『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)などの再現ドラマによく出演させてもらっていますが、そこでは毎回、主役。若い頃にドラマや映画の主役をやりたいと願っていた夢が、40代でかなったんです。そして、50代になったら歌で注目されるなんて、遅咲きですが人生何があるか分かりません。

中途でどこかの会社に入っても……

過去を振り返るほいさん

「いつまでやっていていいのか……」過去を振り返るほいさん

 振り返ると、よく辞めなかったな、と思います。やはり節目節目で、続けようかどうしようか、考えたりはしました。30歳、40歳の節目で、学生時代の同窓会が開かれるじゃないですか。そうすると、ほかの人は大学に進んで会社に入って部長に出世したり、立派な家を建てたり、結婚して子だくさんになったりしていますよね。僕はというと、結婚はしていますが、子どもはいない。仕事は芸人。いつまでもやっていていいのか、と考えました。

 でも、中途でどこかの会社に入っても、高卒では新卒の大卒の人間にはかないません。大卒の同級生にも追いつけない。それに、これまで芸の世界でやってきたことが無駄になってしまう。それはもったいないな、だったらもう10年がんばってみようかな、でもいざ10年経ったらここまできたら辞めるに辞められない……と、ここまで続けてきました。あきらめないでやってきて良かったな、と思っています。

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