ここまで差し入れが“炎上”するなか、なぜ彼女はせっせと手料理を作って歌舞伎町に通うのだろうか。私はツテを辿ってあおりんごさんに接触し、彼女に本心を聞いた。
ホス狂いの脳裏に浮かぶ「調理実習」での成功体験
「だって、料理上手な奥さんや彼女って、会社や友達グループの中でも自慢の存在じゃないですか」(以下・「」内はあおりんごさんの発言)
こう言ってにっこり笑ったあおりんごさんが続ける。
「私は40代半ばで、歌舞伎町の姫の中では“お姉さん”の年代です。だけど、年齢が上がれば上がるほど比例して家事や料理のスキルもあがりますし、若い子に対抗できるのってそういう経験値の高さでしょう? 家庭分野のスキルでいえばその辺の小娘には負けません。
あとは、女の子って小さい頃に、調理実習とかバレンタインとかで、好きな男子に手作りのものをあげて喜ばれたという成功体験がありますよね? それが原体験として意識に残ってるのも、ホス狂いが手料理を差し入れたがる理由のひとつだと思いますよ。
男性って結婚しても『おふくろの味』って言い出したりとか、何か手料理に夢があったりするんですよね。『胃袋を掴む』って言葉がありますが、自分の作ったものを『美味しい』『また食べたい』と言われることは、お店でお金をジャンジャン使って彼のナンバーをあげることとはまた違った快感があると思います」
あおりんごさんは週に1度は愛する担当のもとに駆けつけ、頻繁にシャンパンを開けるなど惜しみなくホストにお金を注いでいるが、彼女にとって「差し入れ」で得られる喜びは別腹なのだという。
「料理を食べてもらうことに対して、他の姫に“優越感”があるのも本音です。だけど私の場合は、それ以上に担当のことが好きだから持っていくので、そこでカレが喜んでくれたり、ヘルプの男の子たちにも振る舞って『うまいだろ』って自慢されることが嬉しいんですよね。結局、調理実習で作った菓子を好きな人に渡したり、彼氏にお弁当を作ってあげたりというのも、女の子が男の子に愛されたいためにやる“自己PR”じゃないですか」
実際に彼女が作ったこれまでの差し入れの写真を見せてもらうと、油淋鶏にエビマヨ、トマトソースのかかったハンバーグ、牛筋煮込みなどと和洋中の多彩なメニューが並ぶ。「差し入れ」という単語から想像されるような素朴さは一切なく、彩りや盛り付けもまるでどこかのレストランからテイクアウトしてきたもののように完成度が高い。