チーフプロデューサーの石川綾一氏(C)フジテレビ

チーフプロデューサーの石川綾一氏(C)フジテレビ

芸歴29年目にして「初舞台ぐらい緊張した」

──石川さんはABCにはどれくらいいたのですか。ABCと言えば、M-1の制作局ですけど、石川さんも携わっていたのですか。

石川:ABCは5年間、在籍しました。僕は当時、『探偵!ナイトスクープ』の制作チームにいたので、M-1はお手伝い程度ですね。一度だけ、若手社員代表ということで、予選の審査員を務めたことがありましたが。今年、フジテレビに来てちょうど20年なので、フジテレビの方がぜんぜん長いんです。ただ、元ABCという縁もあって、この前、M-1のチーフプロデューサーの桒山(哲治)君と、総合演出の下山(航平)君をスタジオに招待したんですよ。

──ノックアウトステージ「16→8」のときに来ていましたよね。

石川:「32→16」のときに、桒山君とLINEでやりとりしていたんです。配信を視聴してくれたみたいで、〈放送もないのにこんなセットを組むんですか!〉って。ベスト32まで残った芸人さんに劇場で戦っていただくのは失礼かなと思って、フジテレビ内にセットを組むことにしたんですけど、ノックアウトステージに入ってから、日置たちが「32→16」「16→8」とセットをどんどん豪華にしていってしまったんですよ。5月20日のグランプリファイナルに予算を残しとかなきゃいけないのに、日置たちの粘りに押されてしまいまして……。

──でも、セットを豪華にしたことで、芸人たちも本気にならざるをえない雰囲気がありましたよね。芸歴29年目のテンダラーの浜本広晃さんも「16→8」のとき、「初舞台ぐらい緊張した」と言っていましたから。

石川:編成部とも予算について改めて話し合い、制作費の増額を理解してもらいました。その結果、セットも豪華にできて、成功だったのかなと思いますよね。今となっては、日置たちの粘りに感謝です。

日置:ツーナッカンさんもノックアウトステージに入って、ちょっと緊張しているのかなという気がしました。でもグランプリファイナルはもっと派手なセットでやるので、芸人さんたちにもちょっとずつ慣れて行って欲しいという意図もあったんです。

──グランプリファイナルは、さらに豪華になるわけですね。

日置:今は格闘技の花道のような入場シーンをイメージしているんです。出囃子も予選とは変わるので、それも楽しみにして欲しいですね。

【後編に続く】

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