心のどこかで相手を嫌っている
神奈川県在住のCさん(61才・仮名)はスーパーマーケットでパートをしている。そこに今春、30代の女性が新しく入ってきたのだが、Cさんはその女性に嫌われているのではないかと悩んでいる。その女性はほかの人とは楽しそうに話すのだが、Cさんと話すときは表情が暗いという。Cさんは「私の思い違い?」「でも、嫌われているかもしれないから話しかけない方がいい?」と逡巡する日々に疲れを感じている。
「結論から言うと、“無理に話そうとしない方がいい”です。心理学には『投影』という言葉があり、これは自分が心の内に抱いている感情などの心理的要素を認めたくないとともに、自分自身を守るために自分ではなく、相手が持っていると捉えようとする心の動きです。つまり、今回の場合、実はCさんは心のどこかで“女性のことが嫌い”だと思っていて、それが投影という形で“私は嫌われているかも”というふうに捉えてしまっている可能性があるということです。
しかも、“嫌われているかも”と思って接していると、意外にも相手に伝わってしまうことがある。なので、仕事上最低限のコミュニケーションから徐々に距離を詰めればいいと思います」(かなえ先生)
親友の趣味につきあい交流関係を広げる
コロナ禍で友人と会えなくなったのをきっかけに、交友関係を整理した会社員Dさん(42才・仮名)。当初は余計なつきあいがなくなったとすっきりしたが、いまはどこか寂しいという。
「中学時代からの親友3人とはいまも変わらない関係ですが、友達はもっといた方が楽しいような気がします。昔の友達と交流を再開したいと思っていますが、連絡した方がいいでしょうか」
かなえ先生は“親友も巻き込んでみて”とアドバイスする。
「新しい友達をつくる方向に目線を変えるのはいかがでしょうか? 新しい趣味をつくるなどしていままで手を出してこなかった領域に一歩踏み込んでみましょう。
親友を巻き込んだり、親友の趣味につきあうところから始めるなど工夫をすれば、交友関係が広がりやすくなるかもしれません」