植物を枯らす原因になる「あるある」トラブルとその対策
植物が枯れる原因となる「あるある」トラブルと、その原因、対策を滝口さんに教えてもらった。
【根腐れ】
症状
・下の方から葉が落ちる
・水を吸わない
原因
・水のやりすぎ
・植物の活性低下
・土の水はけが悪い
「水やり後、いつまでも土が湿っていたり、粘土状になっていたら根腐れしている可能性が大きい。土が常に濡れていると酸素が少なくなり、根が窒息して根腐れしてしまいます。すると、ヒゲのような細い根が溶けてなくなり、太い根だけが残ってカビも生えるんです。
植物の活性が下がる冬は、水を吸う力が弱くなるので、いつものペースで水やりをすると、根腐れを招きます。
対策としては、土が底までしっかりと乾くまで水やりはしないこと。根は一度息継ぎをしないと苦しいのです。乾いているかどうかの判断は、菜箸のような棒を鉢の底まで突き刺し、抜いたときに棒の先まで乾いていたらOKです。目安として、1週間で底までしっかり乾くくらいの土質が理想ですが、上の土はカラカラで、下がまだ湿っているという場合は、水はけのよい土に替えないと根治が難しいでしょう」
また、土に刺しておくだけで水やりのタイミングを教えてくれる「SUSTEE(サスティー)」というお助けアイテムもあるので、利用するのも◎。
【根詰まり】
症状
・葉がしおれる
原因
・育ちすぎて鉢のサイズが合わない
対策
「根詰まりとは、根が張りすぎて鉢一杯になること。根が詰まると行き場がなくなり、土の上に出てくることもある。水が土にしみ込まない場合や、土が乾くスピードが速すぎる場合は、根詰まりが疑われます。根詰まりするのは植物が元気な証拠でもあり、悪いことではありませんが、10年間放置していたら、根詰まりで鉢が割れたという例もあります。
こうなると、根を傷つけないよう、植え替えをプロに頼む必要があるので、自分でできる段階で、ひとまわり大きな鉢に植え替えたり、根を切って、いまのサイズを維持するなどの処理をおすすめします」
根が鉢一杯まで伸びる目安は2年といわれている。2年に一度、植え替えることが望ましい。
【株の増えすぎ】
症状
・葉が下を向く
対策
「サンセベリアやシュロチクなどの観葉植物、ヤシ系やタケ系の植物は株が増えやすい。対策としては、鉢から出し、株と株をつなぐ根を切って植え替える『株分け』をすればOKです」
別掲写真のモンステラは、株が増えて鉢がパンパンになった例だが、株分けでスペースに余裕ができ、ツヤツヤの葉が蘇った。