ベンチでもバッティングフォームの確認に余念がない

ベンチでもバッティングフォームの確認に余念がない(写真/共同通信社)

 書き出しと観察を毎日繰り返し、客観的に振り返る習慣がついたら、次はもう一歩分析を進める。

「同じ失敗をしないための対策法を3つ書き出しましょう。自分はこういうことが苦手だから練習しようとか、これを調べて準備しておこうといった、“やるべきこと”が見えてきます。

 分析を進めるうち、落ち込んだり、失敗を引きずったりという感情から切り離されるので、気持ちの揺らぎが少なくなります」

 大谷は左ひざの手術をした後、思うようにバッティングができない期間がしばらくあり、そのときに徹底的に自身のスイングのフォームを確認し原因を突き止めた。後に大谷はインタビューで、原因に気づく前の練習期間を「ムダな練習だった」と言い切ったが、その表情はどこか晴れやかだった。現状を正しく分析することのみにフォーカスできている証拠と言える。

 また大谷は試合後のインタビューで、自分のパフォーマンスとチームの中での役割について、毎日のように反省と課題を口にしている。すらすらと淀みなく語る姿からも、“書き出し”と“観察”が癖づいていることがわかる。

 大谷のようにすぐに冷静に分析することができなくても、焦る必要はない。

「書き出して残しておくことで、時間が経ってから冷静に見直すことができます。後から自分の行動を見返すいい材料として使うだけでも分析には充分です」

 頭の中だけで堂々巡りしてしまう、自分の思い込みで同じ失敗を繰り返す、わかっているけどなかなか実践できない──そんな人こそ、“大谷印”のニュートラル思考を実践してみてはどうだろう。

 WBC優勝で喜びを爆発させたり、チームメートにいたずらをしたりする一方で、冷静に客観的なニュートラル思考を駆使する大谷は、“メンタルも二刀流”だ。

※女性セブン2023年7月27日号

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