福原がなだめて話しかけようとしてもとりあわない。
「これは誘拐だから! あと3分……あと1分……」
必死に涙声で福原は伝える。
「子供との面会は約束事のはず。なんでそんな怖いことを言い出すの。もともとの面会も守られなかったのでこうして台湾まで迎えにきたのです。長女も一緒に過ごせる約束です……」
しかし数人が取り囲むような形になり身動きはとれない。号泣する福原とさらに声を張り上げる江。その様子を撮影する江の両親。江の腕に抱かれている長女は一言も発さず、じっとその様子を見つめていた。そこに騒動を聞きつけた警察が割って入った。
「異様な様子でした。駆けつけた警察も事情がよくわからないというジェスチャーをしていました。そもそも子供2人のパスポートは江くんが愛さんに手渡していたし、渡航することは事前に把握していたということだと思う。
長男の元についていたベビーシッターの女性も江くんの親戚女性だった。共同親権も持っているということで、警察は“家族の内輪もめか”と呆れていたようでした。江くんは子供を連れて行かれることを怒っているというより、台湾の記者の前で愛さんをおとしめるパフォーマンスをしなければいけないというように見えた」(前出・江の知人)
警察官が間に入った話し合いが続いたが、江は長女を離さず、福原は何度も振り返りながら車に戻っていった。福原の知人が言う。
「なぜ娘を引き渡さなかったのか、なぜ空港にマスコミが来ていたのか、約束で決まっていたことなのになぜ人前で警察沙汰になるほど強く批判したのか、まったく理解できなかったようです。私が悪者になるのはいいけど、子供たちも危険にさらすことだけは許せないと泣いていました」
結局、福原は長男をひとり日本に連れて帰った。その当日、前述の通り台湾のマスコミは福原の「連れ去り」を報じたのだ。
「今回の会見で江くんはこういった事実を一切話していません。いまは一方的に愛さんが“悪者”になっていますが、実際はもっと複雑なのだと思います。江くんは台湾では子育てパパとして知られています。それなのに、子供を矢面に立たせるようなことをして……一体何をしたいのか、信じられない気持ちもある」(前出・江の知人)
実際に福原は、昨夏、台湾メディアに声明文を発表し、「江さんは、私が家族を連れて日本に帰ることに何の問題もなく、私が訪問する権利があることも知っていました」と双方の合意があったと訴えている。
先に約束を「不履行」にしたのは江だった。一方、福原もこの直後に約束を反故することになる。夏休みが終わっても長男を江の元に戻さず、昨年8月下旬、東京家裁に長男の単独親権を求める申し立てを行ったのだ。
※女性セブン2023年8月17・24日号