各高校の滞在費用を一部支給する高野連の財政問題
仮に阪神との調整が付いたとしても、期間を長くすれば、各高校の滞在費用が嵩む。旅費や滞在費を一部支給している高野連の財政も圧迫されかねない。
「高野連は放映権料を無料にしていますし、甲子園球場の使用料もかかっていない。あくまで学生野球であって、ビジネスではないという原則に立っています。しかし、それが理由で夏の甲子園が短期集中開催され、酷暑の中でのプレーにつながっているのであれば、本末転倒です」
『日本学生野球憲章』の第2条(学生野球の基本原理)には〈(4)学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない。〉と書かれている。70年以上前に作られた憲章を今も守っているため、放映権料を取っていない。
「いまや国立博物館がクラウドファンディングで資金を募る時代ですし、学生野球憲章自体を見直して、高野連が放映権料を取るようになっても、そこまで問題視されないのでは。時代が変わっているのに、昔の基準のままで動いているように見える。日頃、練習で鍛えている高校生が何人も熱中症になるのですから、耐え切れないほどの暑さなんです。観戦者も相当辛いですよ。真夏の昼間に集中開催する必要があるのかよく考えるべきです」
過渡期を迎えている夏の甲子園。来年以降、その開催方法に変更はあるのか。